ニコンは、半導体製造の露光プロセスにおいて高い精度と生産性を実現する新型アライメントステーション「Litho Booster 1000」を2027年1月に発売する(ニュースリリース)。同製品は、従来機種と比較して計測精度を約35%向上させると同時に、生産性(スループット)も約10%向上させており、高度化する半導体デバイスの製造現場を強力にサポートする内容となっている。

開発の背景には、CMOSイメージセンサーやNANDフラッシュメモリ、ロジック半導体などで採用が進む「3D構造」の普及がある。今後はDRAMでもこの構造の導入が見込まれているが、多層化やウエハー同士の貼り合わせ(Wafer to Waferボンディング)工程では、ウエハーに大きな歪みやずれが生じやすくなるという課題があった。こうした歪みをナノレベルで詳細に把握し、露光装置に補正値をフィードフォワードすることで、高精度な重ね合わせを実現するニーズが高まっている。
技術的な特長として、まずウエハーホルダーの構造を刷新したことが挙げられる。これによりウエハー吸着時の誤差を大幅に低減し、計測精度の劇的な向上に成功した。また、計測機構の光源を強化したことで、多様なプロセス条件下でもアライメントマークをより確実に検出できるようになり、安定した歩留まりの維持に貢献する。
生産性の面では、ウエハー搬送ロボットの高速化によりスループットを高めている。加えて、不均一な応力によって発生するウエハーの「反り」への対応力も強化された。従来よりも大きな反りがあるウエハーでも安定して搬送・計測できるようになったため、ウエハー全面を多点で緻密に計測しながらも、高い生産効率を維持することが可能である。
特に大きな歪みが発生しやすいWafer to Waferボンディング工程においては、装置による事前計測と補正値のフィードフォワードが、誤差の改善と品質向上に極めて重要な役割を果たす。なお、同製品の開発にはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託業務の成果が一部活用されている。




