見ているものは何なのだろう
著者:納谷昌之 関東では、冬晴れの日が続いている。僕の住む場所からは、青空の下、目の前に広がる丹沢の山並みや、遠く雪を被って鎮座する富士山の、くっきりとした風景を仰ぐことができる。ふと、この風景が、僕の目の中の網膜の上で...
2026.03.23
光技術者として日々の研究にいそしむ著者が,これまでの経験や日常を通じて感じる光に関するあれこれを,肩ひじ張らずに綴る人気のコラム。その飄々としたキャラクターも魅力の一つです。
著者:納谷昌之 関東では、冬晴れの日が続いている。僕の住む場所からは、青空の下、目の前に広がる丹沢の山並みや、遠く雪を被って鎮座する富士山の、くっきりとした風景を仰ぐことができる。ふと、この風景が、僕の目の中の網膜の上で...
2026.03.23
僕が子どもの頃,世界にはまだ裸族がたくさん住んでいた。テレビでは,下唇を円盤で大きく広げたり,局部を木の筒に収めただけの姿で裸のまま躍動する人々の暮らしが,様々な番組で紹介されていた。今はどうだろう。先日,アマゾン奥地に...
2026.02.17
米のトップブランドといえば「コシヒカリ」だろう。この名前は,越国(こしのくに)の光り輝く品種になって欲しい,という願いのもとに命名された。それ以外にも,米の品種名には「きぬひかり」「ひのひかり」など,「ひかり」の付くもの...
2026.01.16
鏡は人類にとって最も身近な光学素子と言っても過言ではない。現存する最古の金属鏡は紀元前2800年頃のものらしい。そんな長い歴史を持ちながら,鏡はいまだに謎を秘めている。「鏡に映った自分の姿は左右が反転するのに,上下は反転...
2025.12.11
8 月のお盆明けに,北アルプスの白馬岳に登ってきた。今回辿った蓮華温泉からのコースは,後立山連峰の新潟側に連なる朝日岳や雪倉岳などの,たおやかな景色を横に眺めながら登る稜線歩きだ。ゆったりとした緑の峰々の,ところどころに...
2025.11.10
大学4 年の夏,部活の同期数名と旅行をしていた途中,新潟県分水町(現在は燕市)にある友人の家に泊めてもらったことがある。そこでは朝昼晩のご馳走だけでなく,近くの名所にドライブに連れて行ってもらうなど,大いにもてなしを受け...
2025.10.10
毎朝,ドリッパーでコーヒーを淹れるのが僕の日課だ。ペーパーフィルターに盛ったコーヒー豆の粉にお湯を注ぐと,粉の山はふわっと饅頭のように膨らみ,そして,夥しい数の細かい泡が表面に現れる。そんな光景を眺めているだけで,なんだ...
2025.09.11
エントロピーとは,乱雑さや無秩序さを表す物理量である。例えば,水にインクを一滴垂らした直後,インクがまだ広がらずに濃い塊のまま留まっている状態はエントロピーが低い状態だ。時間が経って,インクが水と均一に混ざり合った状態は...
2025.08.13
先日,山梨県の上日川峠から大菩薩峠を越えて,丹波山村まで歩いてきた。大菩薩峠は,富士山の展望が素晴らしい山歩きの名所として知られ,訪れる人の多くは,そこからさらに稜線をたどって,深田久弥が日本百名山に選んだ大菩薩嶺を目指...
2025.07.11
「ネオン街」というのは,夜の歓楽街を指す魅惑の言葉だ。煌々と灯るネオンサインが,夜も眠らぬ街のシンボルだったことに由来するのだろう。でも,実際には,飲食店の多くを占める小規模のスナックやバー,居酒屋などには,ネオンサイン...
2025.06.10