何かに見えるということ─パレイドリア─

子供の頃に住んでいた家では,夜になるとトイレの前の壁に,2 つの吊り上がった目と不気味な口が開く顔が現れた。それは,おそらく窓の外から射し込んだ街灯の光やその影が作り出した造形だったと思うのだけれども,僕はそれが怖くて,夜にはなかなかトイレに行けなかった。

何かが偶然に集まってできたものが,自分が知っているものや意味のある形に見えてしまう現象をパレイドリアという。僕が恐怖した壁の顔は,まさにパレイドリアで生まれたものだ。壁のシミや写真に写り込んだ散乱光が幽霊に見えてしまう現象もパレイドリアである。

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