阪大発のスタートアップ企業、宇宙戦略基金事業「高出力レーザーによる空間自在利用技術」で採択

著者: オプトロニクス 編集部

大阪大学レーザー科学技術研究所発のスタートアップ、パワーレーザーは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する宇宙戦略基金事業(第二期)「空間自在利用の実現に向けた技術」において、「(B)軌道上物体除去技術の開発」および「(C)宇宙状況把握技術の開発」の実施機関として採択されたと発表した(ニュースリリース)。

持続的な宇宙開発利用の必要性が高まる中、大規模開発と環境保全の調和に向けて、軌道上における物体の製造・管理・除去に至るまでの一連の新陳代謝系を実現することは大変重要とされている。

しかしながら、宇宙開発利用の拡大に伴い、軌道上の混雑やスペースデブリに対する脅威が増しており、特に急増する小型デブリに対しては、衛星の重要部位へのシールド設置といった従来の受動的対策では多くの課題や限界が生じている。衝突被害の大きさに対して、捕捉・回避のためのカタログ化や除去技術の開発も十分に進んでいない。

このテーマでは、宇宙空間における利用の自在性につながる技術を我が国が世界に先駆けて獲得し、国際的なプレゼンスの向上、将来の宇宙開発市場の獲得、革新的なインフラ構築に向けた強力なアドバンテージとすることを目指している。

(C)宇宙状況把握技術の開発

最先端のレーザー照明・追尾、超高分解能観測、AI軌道予測の3技術を連携させ、微小デブリの軌道を高精度に推定する地上監視基盤を構築する。大阪大学レーザー科学研究所およびレーザー技術総合研究所と協力し、これらの技術を社会実装可能な監視システムへと発展させる。

(B)軌道上物体除去技術の開発

地上レーザーを用いた実用的なデブリ除去技術の確立を目指し、大阪大学レーザー科学研究所の高繰り返しレーザー技術を活用し、軌道修正に必要なパワーレーザー技術を世界に先駆けて確立するため、レーザー技術の高度化を図る。

さらに、シミュレーションと模擬実験結果を統合したAI適応型予測制御技術を開発し、取得データに応じて性能を向上し続ける照射制御システムのモデル構築を進める。

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