著者:納谷昌之
僕がよく乗る小田急線のつり革は、握りの部分が円形をしている。座席に腰を下ろすと、その下辺あたりが、荷棚のステンレスパイプとちょうど重なる位置に見える。そのパイプには、天井の照明が細いスリット状の光として映り込んでいる。先日、このスリット光のすぐ上につり革の下辺が重なると、光の下側、つまり握りの縁とは反対側に、蜃気楼のような影が現れることに気がついた。その部分では、まっすぐなはずのスリット光が、きゅっとくびれて見えるのだ。錯覚かもしれないと思い、何度見直しても結果は同じだ。いったい、何が起こっているのだろう。

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