九州大学や米国コロラド州立大学、米国国立標準技術研究所などの国際研究グループは最先端の原子時計を用いることで、これまで検出不可能と考えられてきた「時間の量子的性質」が観測可能であることを理論的に明らかにした(ニュースリリース)。

アインシュタインの相対性理論では、時間の流れは時計の運動や重力の影響を受けるとされる。これに対し本研究は、時計が量子力学に従う場合に異なる経路の重ね合わせ状態として存在でき、その結果として時間自体も重ね合わせ状態になるという新たな視点を提示している。具体的には、原子時計の運動を制御する新技術を導入することで、古典的な相対性理論を超えた新しい効果に対する感度を、従来の100倍から1000倍に向上できることを明らかにした。
時間の本質は物理学における最も深遠な問いの一つであるが、これまで相対論的な時間の理解と量子物理学との相互作用が実験的に観測された例はなかった。GPSや「秒」の定義を支える人類史上最も精密な時刻計測装置である原子時計を、基礎物理学の新たな実験基盤として位置づけるこの成果は、基礎物理学と超高精度計測の両面に革新をもたらすものである,。また、次世代原子時計のさらなる高精度化や、相対性理論と量子力学が交差する領域における基礎物理の探究に新たな可能性を切り拓くことが期待される。






