著者:納谷昌之
水や酒が入ったグラスを透かして、テーブルに映る光を眺めるのは楽しい。とりわけ、真上にスポット照明があるような場所で、グラスの底を通って作り出される光の模様が僕は好きだ。できれば部屋は薄暗い方がいい。光がくっきりと見えるから。丸いグラスを少し持ち上げると、テーブルの上には幾重もの光と影の輪が現れる。グラスの形状に応じて、その輪はなんだか意味ありげな象徴的な形となる。それに加えて、グラスの中の液体を通って、ゆらゆらと揺れ動く光が重なる。そんな、静かな象徴と揺らぎの混ざった光は、なんとも心地よい気分にしてくれるのだ。

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