日本電子は、レーザー加工装置を搭載した走査電子顕微鏡(SEM)システム「LazEdge(レイズエッジ)」を開発し、2026年5月25日より販売を開始した(ニュースリリース)。本システムは、同社のSEMに浜松ホトニクス社製の独自のレーザー技術を融合させたもので、電子顕微鏡の試料室内において直接レーザー加工を行うことを可能にしている。

科学技術分野では従来、集束イオンビーム(FIB)を用いた断面加工が広く利用されてきたが、近年は加工面のクオリティーを維持しつつ、より大面積かつ高速に加工できる装置への需要が高まっていた。LazEdgeは、空間的にレーザー光の位相変調を行うことができる独自の光学系を採用することで、LIPSS(レーザー誘起周期構造)の少ない高品質な断面加工を高速かつ広領域にわたって実現した。

また、独自のシールド技術「LazEdge Shield」を搭載したことも大きな特徴である。この技術は加工時に飛散するデブリを防止し、検出器や鏡筒、試料室内壁をクリーンに保つ役割を果たす。さらに、本レーザーシステムは試料の加工位置とシールド上のレーザー照射位置に対して同時にフォーカスを合わせることが可能であり、加工と同時にシールドのクリーニング(コンタミ防止)を行うこともできる。これらの技術により、常に安定したパワーでの高品質な断面加工が維持される。

試料室内で加工から観察までを完結できるため、得られた断面を試料室外へ開放することなく、SEM観察や元素分析、結晶方位解析などの各種解析へシームレスに移行できる。これにより、大気非暴露を必要とする電池解析や、高速な断面加工が求められる半導体の故障解析、広範な金属試料解析など、多岐にわたるニーズに対応する。例えば、レーザー加工のみでEBSD測定に必要な品質の断面が得られるため、加工と測定を自動的に繰り返すことで3D EBSDデータの取得も可能となっている。




