矢野経済研究所は、国内の照明市場に関する調査結果を発表した(ニュースリリース)。2025年の国内照明総市場規模は、前年比3.8%増の1兆910億2,500万円と推計している。既設の蛍光灯などからLED照明への更新需要が、市場拡大をけん引したとみている。

今回の調査では、従来光源照明器具、従来光源ランプ、LED照明器具、LEDランプの4分野を対象とし、メーカー出荷金額ベースで市場規模を算出した。自動車や産業機器に組み込まれる照明は対象に含まれていない。
市場拡大の背景には、水銀に関する水俣条約に基づき、2027年末までに一般照明用蛍光灯の製造と輸出入が原則禁止となる、いわゆる「蛍光灯の2027年問題」がある。同社によると、規制に対する設備担当者の認知が進み、既存建築物に設置された従来光源照明からLED照明への切り替えが活発化しているという。
照明メーカーでは、高付加価値製品の投入も進んでいる。非住宅分野では人手不足を背景として、配線工事の簡素化や施工負担の軽減につながる無線照明制御システムへの需要が高まっているとしている。
また、照明器具単体の販売にとどまらず、空間の快適性や省エネ性、デザイン性を含め、照明環境全体を提案する営業への移行を模索する動きもみられるという。一方、高付加価値製品は導入費用が普及の障壁となっており、本格的な市場浸透には時間を要する可能性があるとしている。
同社は、2026年の国内照明総市場規模について、前年比4.5%増の1兆1,400億円になると予測する。蛍光灯規制を前にLED照明への更新需要が一段と強まり、規制後も未更新の設備が一定数残ることから、更新需要は2030年ごろまで継続するとみている。
2030年の市場規模は、2025年比21.7%増の1兆3,280億円に達すると予測する。新設住宅着工戸数の減少が懸念材料となるものの、照明器具の高機能化に伴う単価上昇や、中古住宅、既存建築物における更新需要が市場を下支えする可能性があるとしている。



