2026年以降の半導体成長を支える技術基盤とは

著者: オプトロニクス 編集部

生成AIの急速な普及や、様々なモノの電動化の進展を背景に、半導体市場は2026年以降も中長期的な成長軌道を描くと見込まれている。先端ロジック半導体では、AI処理能力のさらなる高度化に向けて微細化競争が続く一方、電力インフラやモビリティ分野では、パワー半導体を支える材料技術や製造プロセスの高度化が市場拡大の鍵を握る。

こうした中、半導体産業の競争力は、単なるデバイス性能の向上だけでなく、製造装置、材料、検査といった基盤技術を含めた総合力が問われる段階に入りつつある。量産を見据えた実装力や安定供給を支える技術基盤の重要性は、今後さらに高まると考えられる。

その現在地と将来像を示す場として開催されたのが、2025年12月17日から19日にかけて東京ビッグサイトで行われたSEMICON Japan 2025だ。半導体製造装置、材料、デバイス、設計技術など、エレクトロニクス産業に関わる幅広い分野の企業や研究機関が一堂に会し、最新技術とともに今後の産業展望が提示された。編集部は、2026年以降の市場動向を占う視点から、会場で注目を集めた4社の展示を取材した。

ナノトランジスタのウエハー試作【Rapidus】

Rapidusは、7月28日に「ファーストロット」と呼ばれる2ナノトランジスタの試作に成功したことを発表しており、会場ではそれと対応する実物のウエハーが展示されていた。

この試作では、16日にロットインしてから約12日と18時間でウエハーが完成しており、先端ロジック半導体の製造としては極めて短いリードタイムを実現している。同社は、試作から評価までを高速に回す開発スピードを強みとしており、最先端トランジスタを迅速に立ち上げる体制をアピールした。

6インチのp型SiCウエハーの試作【オキサイドパワークリスタル/マイポックス】

オキサイドパワークリスタルおよびマイポックスは、パワー半導体向け材料分野での取り組みとして、6インチp型SiCウエハーの試作品を展示した。

このウエハーは、名古屋大学で開発された「溶液成長法」を用いて作製されたもの。昇華法と比べ、熱平衡に近い状態で結晶成長が進むため、欠陥の少ない高品質結晶が得られる点が特長だとしている。溶液成長法ではp型SiCの作製が比較的容易であることから、同社は同分野に注力している。p型SiCはIGBTに用いられ、洋上風力発電などの再生可能エネルギーを直流のまま高電圧で送電する直流送電技術への応用が期待されている。

エキシマレーザー【ギガフォトン】

ギガフォトンは、半導体露光用光源の世界的サプライヤーとして知られ、最先端半導体製造を支えるエキシマレーザー技術を強みとしている。今回の展示では、同社の中核技術であるエキシマレーザーに関する説明パネルを出展し、その特長や応用分野を紹介した。

エキシマレーザーは波長が短く、光を微小スポットに集光しやすいため、微細加工に適している点が大きな特長である。さらに高出力での発振が可能なことから、大面積を一括で処理でき、生産性の向上にも寄与する。こうした特性から、同レーザーは半導体チップ基板への微細孔加工など、極めて高い加工精度が求められる用途でニーズが高い。

半導体検査装置用266nm高出力パルスファイバーレーザー光源【オキサイド】

オキサイドは、レーザー用結晶の開発・製造からレーザー装置までを一貫して手がけるトータルソリューションメーカーである。高純度で不純物の少ない結晶を用いることで、長寿命かつ信頼性の高いレーザーを実現している。

同社は新たに開発した、波長266nmの疑似連続波ピコ秒パルスレーザー「QCW 266nm 8W」を展示していた。従来の3Wから標準8W、最大12Wへと出力を向上させつつ、筐体サイズは維持。高出力化した基本波レーザーと独自開発された高品質CLBO結晶により、半導体ウエハーの微細な欠陥検出能力の向上と検査時間短縮に貢献するという。

2026年以降も成長が見込まれる半導体市場においては、先端ロジックの微細化やパワー半導体の高性能化といったデバイス側の進化に加え、それを支える製造基盤の強化が一層重要になる。露光、微細加工、検査といった工程で用いられる光・レーザー技術は、生産性と品質を両立させる中核技術として、半導体製造の現場を支え続けている。市場拡大を持続的なものとするためには、こうした光技術を含む基盤技術の着実な進化が不可欠であり、その動向は今後の半導体産業を占う重要な指標となるだろう。

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