OFC 2026、AI需要が牽引する光電融合技術の最前線、過熱の中で見える次の課題

OFC26(会期:2026年3月15日~19日/ロサンゼルス・コンベンションセンター)は会期2日目(現地時間3月18日)を迎え、展示会場とカンファレンスは引き続き強い熱気に包まれていた。初日のレポートでも触れた通り、生成AIの普及を背景に光通信技術への関心は急速に高まっており、その勢いは会期2日目に入っても衰える気配を見せることはなかった。

初日昼に行われた授賞式では、John Tyndall Award 2026(IEEEとOPTICAによって、光ファイバー分野における優れた業績に贈られる。ジョン・ティンダルにちなんで1987年に創設された賞)がサウサンプトン大学・教授のGraham T. Reed氏に授与された。シリコンフォトニクスの先駆的研究と産業化への貢献が評価されたもので、光電融合が実装技術として広がる現在の潮流を象徴する出来事となった。(※昨年は日本から現・公立千歳科学技術大学・副学長/教授の鈴木正敏氏がKDDI研究所における先駆的な長距離光ファイバー伝送技術で受賞した。関連するニュースリリースは【こちら】。)

(写真)John Tyndall Award 2026授賞式前日のプレナリーセッションで受賞の喜びを語るGraham T. Reed氏(サウサンプトン大学教授)

展示会場では、初日に目立った800Gおよび1.6Tに加え、その先を見据えた3.2T、さらには6.4Tクラスのインターフェースを意識した技術開発の方向性がより明確に示され始めていた。AIデータセンターにおけるトラフィック増大を背景に、帯域拡張は不可避であり、レーン速度の向上や実装密度の高度化が現実的な開発テーマとして共有されている。

(写真)コヒレントが示した6.4T CPO/NPO

企業展示に目を向けると、NTTイノベーティブデバイスはシリコンフォトニクスを基盤とした光電融合デバイスについて、2026年度中の製品化を目指す方針を示し、高密度実装と低消費電力化に向けた取り組みを印象づけた。Intelもデータセンター向け光接続技術で存在感を示した。一方で、BroadcomやCienaでは一般来場者から内部が見えにくいクローズドなブース構成が採られており、特にBroadcomは400G/laneといった次世代技術を背景に3.2T世代を見据えた動きを示していると見られるものの、詳細は限定的となっている。こうした展示形態は、AIインフラを巡る競争の激化と情報開示の選別が進んでいる現状を映し出しているものと言えるだろう。

(写真)NTTイノベーティブデバイスが開発中のCPO。2026年度中の製品化を目指している。
(写真)CienaやBroadcomは完全クローズドなブース構成だった。

現在、まさに「AIバブルの様相を呈しているが、この成長がどこまで続くのか」といった慎重な見方も聞かれた。巨額投資が先行する中で、実需とのバランスや持続性を見極める必要性を指摘する声である。熱狂と冷静さが交錯する中、光通信技術はAI時代の基盤を支える中核として、新たなフェーズに入りつつある。

キーワード:

関連記事

  • 【解説】AIで「シリコンサイクル」は変わるのか

    半導体市場はこれまで、需要増を受けた増産が供給過剰を招き、価格下落や設備投資の抑制につながる「シリコンサイクル」を繰り返してきた。ところが生成AIの急速な普及によって、この波の形が変わる可能性が出てきた(関連記事)。 A…

    2026.08.12
  • ニコン、新型アライメントステーションを発表 半導体露光工程を高度化

    ニコンは、半導体製造の露光プロセスにおいて高い精度と生産性を実現する新型アライメントステーション「Litho Booster 1000」を2027年1月に発売する(ニュースリリース)。同製品は、従来機種と比較して計測精度…

    2026.07.30
  • 岡山大など、単一ナノ構造で光の制御に成功 次世代光通信やセンサーへの応用に期待

    岡山大学、北海道大学、総合イノベーション創発機構、および中国・北京大学の国際共同研究グループは、ジクロロオキソモリブデン(IV)(MoOCl2)二次元材料を用い、単一ナノ構造の中で、光を強く「集める」働きと、特定の色の光…

    2026.07.28
  • 半導体市場1兆ドル到達は4年前倒し SEAJが製造装置需要を上方修正

    日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、2026年度から2028年度までの半導体・FPD製造装置の需要予測を発表した(ニュースリリース)。半導体製造装置の日本製装置販売高は、AIサーバー向け先端ロジックへの旺盛な投資や、広…

    2026.07.06
  • 【解説】IOWN AI ファンドが示す、AI時代のフォトニクス産業の広がり

    AIインフラの重心が、AIモデルを作るための大規模な設備から、完成したAIを現場に近い場所で動かす仕組みへ移りつつある。NTTなどが2026年6月10日付で発表した投資ファンド「IOWN AI Fund」(関連記事)が注…

    2026.06.23

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア