名城大など、サファイア基板上で深紫外半導体レーザーの室温連続発振を達成

名城大学、ウシオ、三重大学、日本製鋼所は、深紫外(UV-B:280〜320nm)領域の半導体レーザーにおいて、世界で初めて、安価なサファイア基板を用いて医療に最適な300~320nm帯域での室温連続発振(CW)を実証した(ニュースリリース)。

(図1)UV-B半導体レーザー素子の断面模式図(図2)動作中のレーザーデバイス外観と発光の様子(図3)室温連続動作におけるI‒V‒P特性(図4)発振スペクトル

紫外線の中でもUV-B(280~320nm)の300~320nm波長帯は、生体分子との光化学反応を引き起こす高い光子エネルギーを持ちながら、DNAを直接破壊しにくいという特性から、皮膚疾患治療や血管内治療などの医療応用において重要な波長帯として注目されている。

一方で、これまで主に用いられてきたエキシマランプやLED光源は、大型で低効率、かつ波長選択性に制限があり、真の高精度医療を実現するには課題が残っていた。そのため、コンパクトかつ高出力の深紫外半導体レーザーが求められてきたが、AlGaN材料によるレーザー形成には格子歪みや放熱など技術的な障壁が多く、特に安価なサファイア基板上での実現は困難だった。今回の研究では、これらの課題を克服し、医療応用に適したUV-Bレーザーの実用化に向けた基盤技術を確立することを目指した。

研究グループはまず、サファイア基板上にナノピラーを形成することで結晶歪みを緩和し、高品質な AlGaNテンプレートの作製に成功した。次に、このテンプレートの上に屈折率コントラストを利用したリッジ導波路構造を採用し、横方向の光閉じ込めと低しきい値動作の両立を実現した。

また、鏡面損失を低減するためにSiO2/Ta2O5多層膜からなる高反射DBRを両端面に形成し、熱拡散性を向上させるためにジャンクションダウン方式でAlNサブマウントに実装した。

その結果、318nmにおいて室温連続発振(CW)を安定して実現し、しきい値電流密度4.3kA/cm2、しきい値電流64mAという優れた動作特性を示した。この成果は、低コスト基板を用いたUV-Bレーザー開発の大きな転換点となる。

研究グループは、今後は、実装技術やデバイス構造の最適化により熱抵抗と電極抵抗のさらなる低減を図ることで、安定的なCW動作の実現が期待されるとしている。

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