宇大ら,自己修復するレーザー加工装置を開発

宇都宮大学,IMRA AMERICA,浜松ホトニクスの研究グループは,空間光制御とディジタルフィードバック制御とを統合した,新しいレーザー加工法を開発した(ニュースリリース)。

一般に,レーザー加工装置は,工場現場で用いられ,その設置環境は静粛とは言えない。また,装置内の光学部品が加工用高強度レーザー光によって劣化する。

開発したレーザー加工装置は,レーザービーム形状を自在に整形できる空間光制御技術が実装されている。空間光制御技術とは,1本のレーザービームを1000本に分岐したり,円形ビームを四角形ビームにするなど,レーザー加工の高速化や高効率化に有効な産業技術として利用されつつある。

そのキーデバイスである液晶空間光変調素子(LCOS-SLM: liquid-crystal spatial light modulator)は,計算機ホログラム(CGH: computer-generated hologram)を表示するために最適化されているが,プロジェクターに使われている液晶ディスプレーと同様にピデオ信号で画像表示される。

宇都宮大学では,ホログラフィックレーザー加工と呼ばれる,計算機ホログラムを用いたレーザー加工の研究を行なってきた。今回,IMRA AMERICA,浜松ホトニクスと協力して,空間光制御とディジタルフィードバック制御とを統合した,新しいレーザー加工法を開発した。

その方法は,LCOS-SLM上に表示されたCGHの再生像を加工対象に照射すると同時に,カメラで観測し,その観測画像からCGHを再計算するというもの。これを連続的に繰り返すことで,レーザー加工装置は,外乱による光学系の変動や部品の経年劣化を自動的に修復しながら,ホログラフィックレーザー加工を実行する。

この技術は,戦略的イノベーション創出プログラム(SIP)第2期「光・量子を活用したSociety5.0実現化技術 (空間光制御技術に係る研究開発)」の下,製造のスマート化に向け,浜松ホトニクスに協力し,国内外における空間光制御技術の社会実装を目指しているという。

この技術は,所望の加工パターンを自動生成するため,空間光変調技術に詳しくないユーザーでも,高速・高効率なホログラフィックレーザー加工を実行可能とし,レーザー加工や光技術に非専門な研究者・技術者や中小企業における生産等,その利用機会の拡大に資するとしている。

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