こうした極限的な計測技術を用いると,重力波だけでなく,宇宙の見えないものや新しい物理法則を探索することができるのではないか,という発想で私たちはレーザー干渉計を用いたさまざまな実験を行っている。その一つが,アクシオン場の振動によって光の偏光面が周期的に回転することを利用したアクシオン探索である。

LIGO,Virgo,KAGRAのようなレーザー干渉計型重力波望遠鏡では,図4に示すように,マイケルソン干渉計の各腕にファブリ・ペロー共振器を備えたファブリ・ペロー・マイケルソン干渉計が用いられている。合わせ鏡の間を何度もレーザー光が往復することで実効的な腕の長さを増やし,重力波による干渉縞の変化を増幅しているのである。同様に,レーザー光が腕共振器内を何度も往復する間,アクシオンとの相互作用によって生じる偏光面回転も増幅されるため,腕共振器の透過光や反射光の偏光を高精度に測定することで,アクシオンを高感度に探索することができる。




