米Quintessentは、AIデータセンター向け光インターコネクト用として開発した量子ドットDWDMコムレーザー「QCOMB-1310-08-08-200-EVK」の顧客向けサンプル出荷を開始した(ニュースリリース)。
同製品は、精密な間隔をあけた8つの波長を生成できる単一チップ型のDWDMコムレーザーである。GaAs(ガリウムヒ素)を用いたOバンド量子ドット利得材料を採用し、これをシリコンフォトニクス上に異種集積している。

従来のDWDM光インターコネクトでは、各波長ごとに個別のレーザーを用意したり、高出力ポンプレーザーや波長制御用の電子回路を組み合わせたりする必要がある。これに対し、同製品は単一のバイアス制御で8波長を生成できるため、光源構成の簡素化や部品点数の削減、消費電力の低減につながるとしている。
また、GaAs量子ドット材料を用いることで、AIデータセンター向け光インターコネクトで広く使用されているInP(リン化インジウム)レーザーへの依存を抑えられる点も特徴である。Quintessentは、GaAsを量産実績のある材料系として位置づけ、シリコンフォトニクスとのウェハースケール集積によって量産性の向上も狙う。
同社によると、複数のレーザーを1つに統合し、周辺回路や部品を削減することで、DWDMの各波長当たりのコスト低減が可能になる。さらに、従来の「narrow-and-fast」型アーキテクチャと比較して、データ移動に伴う消費電力を最大40%削減できる可能性があるとしている。
製品は波長数の拡張や他のCWDM波長帯への展開も想定しており、将来的には双方向光通信において、各方向につき1個のレーザーで構成できる可能性もあるという。
Quintessentは2026年のOFCで同技術を顧客やパートナー向けに公開しており、今回のサンプリング開始によって実用化に向けた段階へ移行する。現在は評価キットとして提供し、ユーザーが既存のシステム評価環境に組み込みやすい形としている。
同社は今後、顧客評価、信頼性試験、製品認定、量産立ち上げを進めるほか、半導体光増幅器(SOA)などの光部品や、AIデータセンター向けプラガブルモジュール用光エンジンの開発も進める方針である。



