阪大、3Dプリンティング研究を統合する新センターを設置へ

大阪大学大学院工学研究科は、2026年4月1日付で「3DPTec統合センター」を設置する。これは、これまで工学研究科で蓄積してきた3Dプリンティング技術の研究基盤を発展的に再編し、医療、食品、ものづくり、芸術など多様な領域を横断する新たな研究拠点として位置付けるものだ。

同研究科では、3Dプリンティング技術を活用した先端研究をすでに幅広く進めている。医療分野では、骨の構造に着目したデバイス開発が進み、脊椎治療における再生期間の短縮につながる成果も示されている。食の分野では、筋や脂肪、血管といった異なる組織を立体的に作り分ける技術を用いて、食感や味わいの設計まで視野に入れた培養肉の研究も展開されている。さらに、航空部品や機能性材料への応用、洋上風車関連技術への展開、アート分野への活用など、3D技術の射程は着実に広がっている。

(写真)3DPTec統合センターの外観

こうした研究はこれまで既存センターや各研究室を軸に進められてきたが、新センターの設置によって、分散していた知見や技術を結集し、より大きな相乗効果を引き出す体制が整えられる。大阪大学が進める将来構想の中でも、3Dプリンティング分野を象徴的な強みとして育て、世界トップレベルの研究拠点形成を目指す考えだ。

新センターは、医療、未来食、航空宇宙、機能性触媒、オンサイトファブリケーション、アートの6部門で構成される。単なる立体造形技術としてではなく、物理的、化学的、生物的な機能や特性まで含めて設計し、実装していく研究を進めるのが大きな特徴となる。加えて、必要なものを必要な時に必要な場所で生み出す新たな製造の在り方も視野に入れており、ものづくりの概念そのものを広げる拠点となりそうだ。

また、学内の複数部局に加え、学外や海外の研究者、技術者との連携も強化し、産学官の枠を超えた研究展開を進める。大学院生や若手研究者にとっても、既存分野の枠を越えて研究に関わる機会が広がることになり、新たな研究領域の開拓や次世代人材の育成にもつながると期待されている。

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