国がんら,HSIで便表面の便潜血の画像化

著者: sugi

国立がん研究センターとエバ・ジャパンは,ハイパースペクトルイメージング(HSI)を用いることで,便表面の高定量値便潜血領域を瞬時に画像化できることを証明した(ニュースリリース)。

2021年10月から2022年4月まで,下剤を病院で飲む方法で大腸内視鏡検査を受けた100名の患者を対象として,最初の50人(がん患者28名)を,判定画像を作成するためのA群,残りの50人(がん患者26名)を,判別画像の精度を検証するためのB群とした。解析対象は,下剤の影響の少ない最初に排泄された便とした。

A群では,便表面から100箇所(1検体につき2箇所)をランダムに選び,その部位の便潜血定量値を測定し,また同部位をハイパースペクトルカメラで撮影し,得られたスペクトル特徴の違いを,機械学習等により解析した判別画像を作成した。

今回,偽陽性率をより少なくするため,陽性・陰性を分ける値を高く設定した。B群では,A群同様ランダムに250箇所(1検体につき5箇所)を,A群で作成した判別画像で判定し,実際正しく判定できているかその精度を検証した。

A群では,感度,特異度,正診率,陽性的中率,陰性的中率がそれぞれ77.1%,96.9%,90.0%,93.1%,88.7%である高い精度の判別画像を作成できた。B群の精度検証で得られた画像は,肉眼でも分かる血液が全体に広がった便は便全体が画像化さた。

肉眼では分からない便潜血は便の一部に不規則に画像化された。陰性の場合は画像化されなかった。また精度検証でも,感度,特異度,正診率,陽性的中率,陰性的中率がそれぞれ83.3%,92.9%,90.8%,76.3%,95.3%であり,高い精度で全鮮血定量値400ng/mlの領域を画像化できることが確認された。

便潜血画像化ソフトが,水,ミルク,また血液に近い色のトマトジュース,紅茶,珈琲内に血液を垂らした液体モデルと,便模型の表面に新鮮血,凝固血を塗布したモデルと,模型内に血液を含ませたモデルでの検証試験を行なった。

液体検証では,水面を通過し,色での識別でなく確実に血液の存在する領域のみを画像化していることを確認した。一方便模型検証では,便表面の血液は画像化されましたが,便内の血液は画像化されず,以上より,肉眼では見えない便表面の高定量値便潜血の画像化に成功した。

研究グループは,この技術を実際のトイレで活用することで,簡便に便潜血の測定が可能になり,大腸がん検診の受診率が向上する可能性があることから,実際にトイレで使用できる機器を開発しているという。

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