トクヤマ,低温熱分解法で太陽光パネルをリサイクル

トクヤマは,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同開発で低温熱分解法による廃太陽光パネルの高度リサイクル処理技術の事業化を進めている。

太陽光発電で使用する太陽光パネルは製品寿命が20~30年といい,2030年には太陽光パネルが大量廃棄されると懸念されている。

リサイクル処理の際,フレームおよびモジュール部分の解体が必要となる。フレームは解体してアルミとして再生可能だが,モジュール部分は,ガラス,樹脂,セル,リボンが強固に結合しているので解体分離が非常に困難となる。

そこで同社は,熱を加えて樹脂を溶融落下させ,セラミックフィルタ内で完全に熱分解し,一度の処理でガラス,樹脂,セル,リボンをきれいに分離させることを可能とした。800×1700~1800mmのパネルを1枚あたり12分かけて熱分解を行ない,コストは1W3円以下としている。単結晶と多結晶に対応している。

行程としては廃棄する太陽光パネルのアルミフレームを,ガラスを割らずに取り除き,セラミックフィルタトレイを搭載した熱分解炉で樹脂の部分を溶かしていく。その際,LPガスを燃焼させた熱風をファンにて循環させる。熱風は分解炉の下部より供給されて,太陽光パネルを酸化分解する。樹脂の燃焼エネルギーを利用し、LPガスの消費量を低減させサーマルリサイクルする。

その後処理されたパネルはガラス,セル,リボンに選別機によって選別する。板ガラスは品質を保つため,熱分解後に付着したセルやリボンなどをブラシによって取り除く。 これにより,ほぼ全ての部品がリサイクル可能になり,60%を占めるガラスを板ガラスの原材料ほか,リサイクル材として活用することができる。

同社は,低コストで高品質なガラス,セル,リボンのリサイクルでSDGsに貢献していくとしている。

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