光の拠点である光学博物館を日本にも

原点は好奇心─カメラと虫眼鏡が導いた光の世界

―光学博物館はいつ頃どこにオープンし,どのような博物館にしたいですか?

まだ具体的な計画は検討中ですが,目標としては2 年後を目処に東京都板橋区に開設したいと考えています。重要なのは,小さい規模でスタートしても良いから,長く続く拠点にすることだと思っています。

モデルとしてイメージしているのは光学の聖地,ドイツ・イエナです。そこにはカール・ツァイスやライカの起源となる施設,著名な光学技術者アッベの墓地,そして博物館があるなど,技術と文化が融合した拠点が存在しています。日本でもそうした象徴的な場所を作りたいという想いがあります。

また,博物館としての展示機能だけでなく,日本の光学技術者の育成支援や,交流の場となることを重視しており,単なる展示施設ではなく,拠点となることを願っています。日本は光学技術で世界的に高い評価を得ていながら,海外のような光学の拠点や集まる場所がないことを課題として認識しています。

人が集まり,交流することで新しい発想や価値が生まれる場所をつくることが,この構想の中核となっていると思っています。展示会などの活動もその延長線上にあり,リアルな交流から生まれる科学と技術の進化を後押しする場にしたいと考えています。

―光学博物館を創ろうという思いに至った経緯を教えてください。

光学分野に限らず,人生経験を重ねる中で,これまでやってこられたのは自分ひとりの力ではなく,多くの人のおかげだったと実感するようになりました。その気づきから,恩返しをしなければという思いが芽生え,現在のビジネス活動や取り組みの原動力になっています。特に光学博物館の構想は,これまでお世話になった光学業界に対して,少しでも貢献できたらとの思いからのもので,未来の人材育成や産業の発展につながることを願っています。

―光学・光産業の魅力について教えてください。

まず,光学技術は,これからもずっと必要とされる,私たちの生活のあらゆる場面に関わっている基盤技術です。カメラやプロジェクター,ディスプレー,プラネタリウムといった視覚に関わるアミューズメント要素にも深く関わっており,単に科学技術としてだけでなく,見ることの楽しさを提供する,身近で面白い技術である点が魅力です。

また,光学の魅力は,原理が変わらないことにもあります。つまり,一度しっかりと基礎を身につければ,何十年経っても通用する知識やスキルになりますよね。例えば,ソフトウェアや電子回路のように,目まぐるしく新技術に置き換わる分野では,古い知識がすぐに使えなくなるかもしれませんが,光学は基本原理が変わらないため,長く専門性を活かせる分野です。

コンサルタントという立場から見ても,食いっぱぐれがない技術と表現されるほど,安定性が高く,専門性の需要が途切れません。実際に昔得た知識が,今でも現場で役立っており,長く信頼される技術分野であることがわかります。

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