世界のあらゆる市場にホロライトの光を

著者: 編集部

パイフォトニクス(静岡県浜松市)は,来年で創業20周年を迎える。光パターン形成LED照明「ホロライト」で新たな市場を切り拓いてきた同社が次に見据える成長戦略とは。米サンフランシスコで1月に開催されたPhotonics WESTの会場内で,池田貴裕社長に縦横無尽に語ってもらった。

Photonics WESTに参加し続ける理由

Photonics WESTは毎年視察されているのですか?

世界中でコロナウイルスが流行する直前の2020年1月に訪れて以来,昨年2024年に復帰しました。初めて視察したのは2004年頃でしょうか。浜松ホトニクスから出向という形でボストンに赴任し,研究活動をしていた際に,サンノゼで開催されていたPhotonics WESTに行ったのが最初でした。

その後,2013年に初めてサンフランシスコを訪問し,2014年に2カ月間,武者修行だと思ってシリコンバレーに行きました。その後,2015年からPhotonics WESTには欠かさず参加するようになりました。

当社は特殊なLED照明メーカーで,光パターン形成LED照明「ホロライト・シリーズ」の製造・販売を行なっています。Photonics WESTの会期中は,光源メーカーの担当者と情報交換したり,新しい光技術を見て回ったりしていました。新たなスタートアップ企業の動向や会場内のJapan Pavilionで毎年会うことができる知り合いの企業関係者,大学の先生も多く,そういった方々との対話も楽しみの一つです。

Photonics WESTは,技術者としての私のネットワークを最大限生かすことができる場です。今,ユーザーの多くは中西部に集中し,今年5月にはテネシー州ナッシュビルで開催される展示会に出展を予定しています。それでもPhotonics WESTは,私の原点でもあり,可能な限り毎年来るようにしています。今,海外事業の約3分の2が米国に依存しています。昨年,海外比率が10%を超えましたが,将来的にグローバル企業となるためには,50%以上に引き上げる必要があると考えています。

ユーザーはどの国にも必ずいる

今,経営で最も注力していることについて教えてください

ホロライトの海外展開を精力的に進めており,直近1年間で米国の顧客は倍増しました。米国では2022年から展示会に出展していますが,光技術関連ではなく,安全分野に重点を置いています。ホロライトは,遠方に光を集めて拡散を抑え,視認性に優れ,さまざまな光パターンを形成できるため,工場の安全用途において光を使った安全対策が可能です。

クレーン用として,フックの位置決めや(クレーン下の)立ち入り禁止エリア,吊り荷の位置を光で照らす,いわゆる工場内のルールを光で可視化するホロライトが,現在最も売れている製品です。日本国内では,重量物を運ぶ吊り荷のエリアを示すホロライトの納入実績がいくつかあり,それを横展開するために,2022年にシカゴとサンディエゴの展示会に出展しました。

そのときは現場のユーザーが来場せず,反響はありませんでした。しかし,2023年にスチール業界関連の展示会に出展したところ,来場者の反応が良く,売れ始めました。大手の顧客にも採用され,現在では約40社に広がっています。

他にも韓国,メキシコ,タイなどで商流が確立しました。インドや欧州はこれから進めていく予定です。今年もさまざまな展示会への出展を予定しており,2月にはインド,3月にはメキシコ,5月には米国で出展予定です。その後は韓国とドイツの展示会にも出展します。 ホロライトを全く知らない業界や企業にも見ていただき,「何これ?」という驚きから興味を持ってもらうことを大切にしています。どの国にも,新しい技術や製品に敏感なユーザーは必ず存在します。そうした人たちが最初のユーザーとなり,製造現場などで「こんな光がある」「こんなライトがあるんだ」と周囲に広めてくれることで,少しずつ口コミが広まっていきました。

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