横河計測は、高精度電力計「WTシリーズ」の新製品である「プレシジョンパワーアナライザー WT1500」を開発した。同製品は2026年8月19日に発売予定となっている。

xEV技術の進展や再生可能エネルギー市場の成長に伴い、評価・試験システムの電力計測においてさらなる高電圧への対応が求められている。従来、1500Vを超える電圧の測定には専用の高電圧分圧器を併用する必要があったが、これは測定確度への影響や配線・機器設置の複雑化を招く要因となっていた。また、xEVのモーター効率評価において、電力信号とモーターの回転角度を検出するレゾルバ信号を別々に測定し、PC上で同期させる作業の煩雑さや、計測器のサイズが試験環境に収まりにくいといった物理的な課題も指摘されていた。
WT1500は、2000Vまでのシステムにおいて高電圧分圧器を不要とし、操作性と性能を大幅に向上させることで、これらの課題を一掃している。
同製品の大きな特徴は、WTシリーズ最高水準となる電力基本確度±0.038%(DC、50/60Hz)および低力率時の確度±0.07%を実現した高い測定性能にある。入力エレメントには、高電圧PCS(パワーコンディショナ)やESS(エネルギー貯蔵システム)の評価に最適な「高電圧(HV)エレメント(最大2000V DC、300kHz)」と、最新のxEVモーターにおける複雑な高周波波形測定に不可欠な「広帯域(WB)エレメント(最大1000V、2MHz)」の2種類が用意されており、これらを1台の筐体内で混在させて構成することも可能である。
機能面においても、4系統の電力測定と同時に最大4系統のモーター評価を行うことができ、レゾルバ信号入力やIEEE 1588による時刻同期、CAN/CAN FDバスへのデータ出力、UDP通信による低遅延データ伝送といった、最新の試験システムに求められる通信・制御機能を網羅している。筐体は高さ2U(約88mm)の省スペース設計を採用しており、評価システムラックへの組み込みが容易であるとともに、前面の小型操作パネルやPC、タブレットからのリモート制御にも対応し、単体計測器としての使い勝手も追求されている。
さらに拡張性についても、1台で4チャネルの測定が可能なほか、最大5台の同期機能を用いることで最大20チャネルまでの多チャネル測定へと拡張できる。これにより、2系統のインバータ・モーターやe-Axleシステムの評価、ESSにおける複数台の同時測定など、大規模な試験ニーズにも柔軟に対応する。独自の電流入力端子に加え、新しい電流アダプタ群と組み合わせることで、CTシリーズ貫通型やクランプ型など幅広い電流センサーに対応し、小電流から大電流まで多様な試験を支援する。
主要な市場は自動車や電力、再生可能エネルギー分野であり、研究開発から生産ラインに至るまで、カーボンニュートラル社会に向けた技術革新を強力に支える製品となっている。



