光産業技術振興協会(光協会)がまとめた「2025年度光産業全出荷額、国内生産額調査結果」によると、2025年度の光産業の全出荷額は12兆6,413億円となり、前年度実績(12兆4,744億円)に対して1.3%増と、緩やかな拡大が見込まれている。光産業全体としては大きな変動はないものの、AIや半導体などの先端分野を背景とした需要拡大が各分野を下支えし、堅調な推移となる見通しだ。
今回の調査では、特に情報通信分野の伸びが注目される。同分野の全出荷額は5,966億円と、前年比19.3%増と大幅な拡大が見込まれている。背景にあるのは、生成AIの普及に伴うデータ処理量の急増である。AI向けデータセンターの新設や増強が世界的に進む中、光ファイバや光コネクタ、発光・受光素子などの光伝送用部品の需要が急速に拡大している。また、400Gb/sを超える高速光伝送装置の導入が進むことで、光通信機器・装置の市場も回復しつつあり、情報通信分野全体の成長を牽引している。
光産業の中で最大の規模を占める入出力分野も引き続き拡大基調にある。2025年度の全出荷額は4兆8,361億円と、前年比3.7%増が見込まれる。中でも存在感を増しているのがイメージセンサーである。スマートフォンや車載カメラの搭載拡大に加え、デジタルカメラの高機能化、さらには積層型センサーなどの技術進展による高付加価値化が進んだ結果、同市場は2兆円を超える規模に達している。SNSや動画配信の普及による撮影ニーズの拡大も追い風となり、光産業の主要成長分野としての地位を一層強めている。
また、製造分野を支えるレーザ・光加工分野も堅調である。2025年度の全出荷額は8,715億円と、前年比2.7%増となる見込みだ。特に半導体関連の設備投資が続いていることに加え、生成AIサーバの普及に伴うプリント基板の加工需要が増加していることが市場を支えている。スマートフォンやPCなどの電子機器に使用される基板の微細加工ではレーザー技術が不可欠であり、こうした分野での設備投資が継続している。さらに板金加工用途ではファイバーレーザーが引き続き安定した需要を維持しており、産業用レーザー市場の基盤を支えている。
このほか、半導体やFA向けの設備投資の継続を背景に、センシング・計測分野も増加が見込まれる。一方で、ディスプレイ・固体照明分野はテレビなどの需要減少の影響を受け、やや縮小する見込みとなっている。 総じて2025年度の光産業は、ディスプレイなど一部の分野で減少が見られるものの、AI関連インフラや半導体、車載用途といった成長領域が市場を支え、全体として緩やかな拡大が続く見通しだ。特にAI向けデータセンターの拡張は、光通信部品や高速伝送装置の需要を大きく押し上げる要因となっており、今後の光産業の成長を左右する重要なドライバーとなりそうだ。




