imecは、EUV露光後リソグラフィー工程中のガス組成を精密に制御することで、必要な露光量の最小化が可能となることを発表した(ニュースリリース)。
金属酸化物レジスト(MOR)は、化学増幅型レジスト(CAR)と比較して、優れた解像度、低ラインエッジ・ラフネス、良好なEUVドーズ・ツー・サイズ性能を示すことから、先端EUVリソグラフィー用途の有力候補として注目されている。微細パターンや薄膜レジストにおける優れたパターン転写性能により、高NAEUVリソグラフィーで露光される最高解像度金属層に特に適している。同社は今回、EUVレジスト露光後および現像前に実施される重要な熱処理工程である、EUVリソグラフィーのPEB工程において酸素濃度を大気中濃度以上に高めることで、MORのドーズ・レスポンスをさらに向上させることが可能であることを実証した。
PEB中に酸素濃度を21%(大気中濃度)から50%に高めたところ、レジストのフォトスピードが15~20%向上することを確認。この傾向は、モデルMORおよび市販MORの双方で観測されている。主要なリソグラフィー工程におけるガス組成の精密制御が、必要なEUV露光量を大幅に削減できることを初めて示した。これはEUVスキャナーのスループット向上とプロセスコスト低減に直結する。BEFORCEツールはまだ初期成果段階だが、制御されたガス組成は、MOR材料のリソグラフィーばらつきに対する環境影響の起源を解明するための、追加的な調整因子を提供するという。装置メーカーは、これらの知見を指針として活用することで、EUVリソグラフィーのスループットおよび安定性向上のための装置最適化を進めることが可能となる。


この成果は、MORのCD(クリティカルディメンション)安定性および性能に対する周囲環境の影響を調査するために同社が開発した独自の研究装置BEFORCEにより得られた。商用EUVクラスターでは、レジスト塗布済みウェーハーは真空中で露光された後、大気条件下で加熱されるPEB装置へ移送される。一方、同装置はこれらの工程を模擬しているが、ウェーハー移送およびPEB工程をクリーンルーム環境から隔離し、ガス注入および混合システムにより精密制御された環境下で実行できる。この独自の機能は、統合型フォトスピード測定機能との組み合わせにより、MORのドーズ・レスポンス向上における酸素の役割を解明する上で重要な鍵となったという。

MOR性能に対するガス組成の影響を最大限活用するには、レジストのPEB中に生じる化学的メカニズムに対するより根本的な理解が不可欠。同社では、さまざまな環境条件下において、ベーク中に生じる化学変化(統合型フーリエ変換赤外分光計により取得された観測結果)とMOR性能との相関を明らかにするための実験を現在進めているという。BEFORCEは今後、高度計測機能の拡張が予定されており、同社ではさらに大きな成果を創出するとしている。



