東大 井手口拓郎氏が晝馬輝夫 光科学賞を受賞 デュアルコム分光法の先駆的研究で

光科学技術研究振興財団は、独自に独創的な研究業績をあげ日本の光科学の基礎研究や光科学技術の発展に貢献したと認められる研究者を顕彰する「第7回 晝馬輝夫 光科学賞」の受賞者および「令和6年度研究助成」の採択者を決定したと発表した。

(写真)井手口 拓郎氏(東京大学大学院理学系研究科附属フォトンサイエンス研究機構 准教授/理化学研究所光量子工学研究センター チームディレクター)

同財団は、光科学技術の高度化に寄与するため、同財団の設立発起人で浜松ホトニクスの創業者の一人でもある晝馬輝夫氏の功績を記念した「晝馬輝夫 光科学賞」により秀でた研究者を顕彰するとともに、募集テーマに沿った研究に資金を助成する「研究助成事業」を行なっている。

今回、7名の候補者の中から井手口拓郎氏(東京大学大学院理学系研究科附属フォトンサイエンス研究機構 准教授/理化学研究所光量子工学研究センター チームディレクター)を「第8回 晝馬輝夫 光科学賞」の受賞者に決定した。授賞理由となる研究業績は「先端レーザー技術を用いた振動分光・顕微鏡法の研究」。

半導体レーザーおよび半導体レーザー励起固体レーザーやファイバーレーザーの進展により、レーザー技術は新たな段階を迎えている。同氏はこうした先端レーザー技術を駆使した新しい振動分光・顕微鏡法を次々と創出し、顕著な成果を挙げてきた。

独自の着想によりデュアルコムレーザーを開発し、非線形ラマン散乱とデュアルコム分光を融合したコヒーレントラマン分光顕微鏡を構築し、世界で初めて高速・広帯域ラマンスペクトル計測および顕微イメージングを実現した。

また、赤外フォトサーマル顕微鏡を生物物理学の基礎研究へと展開して、温度勾配に沿って生体分子が移動する現象を生細胞内で初めてラベルフリーに可視化することに成功し、「細胞内ナノ熱科学」という新たな研究分野を切り拓いている。今回の技術は細胞の生命状態を定量評価する新たな指標として期待されており、医療・バイオ分野など幅広い応用が見込まれるという。

以上のことから、同財団は、同氏のこの業績は若手研究者を顕彰する「晝馬輝夫 光科学賞」に相応しいと判断し、その授与を決定した。また「令和7年度研究助成」の入選者33名も決定した。なお贈呈式は、令和8年3月3日(火)、ホテルクラウンパレス浜松にて開催される。

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