京大・竹内繁樹氏が文科大臣表彰を受賞、量子もつれ光による光量子センシングで評価

文部科学省は2026年4月、「令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の受賞者を発表した。このうち科学技術賞(研究部門)において、京都大学大学院工学研究科・教授の竹内繁樹氏が受賞した(ニュースリリース)。

京都大学・竹内繁樹氏

同表彰は、科学技術に関する研究開発や理解増進などにおいて顕著な成果を挙げた個人・団体に授与されるもので、我が国の科学技術の発展に寄与する重要な賞の一つとされる。

竹内氏の受賞業績は、「量子もつれを用いた光量子センシングに関する先駆的研究」。量子もつれ光を活用した新しいセンシング技術の開拓において、基礎から応用までを切り拓いた点が高く評価された。

同氏はこれまで、量子もつれ光を利用した顕微計測や量子光断層撮像(QOCT)などの研究を推進し、光量子計測分野の発展を牽引してきた研究者である。特に、量子もつれ光源の高度化や新規計測手法の開発により、高分解能・高感度を実現する技術の確立に貢献している。

近年、量子技術は次世代の基盤技術として注目を集めており、光量子センシングはその中核を担う分野の一つである。竹内氏の研究成果は、医療イメージングや非破壊検査、分光計測などへの応用が期待されており、今後の産業展開にも大きな影響を与えるとみられる。

今回の受賞は、こうした量子光学分野における長年の先駆的研究と、光技術分野への波及効果が総合的に評価されたものといえる。

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