京都大学の研究グループは、超小型紫外線観測衛星「Mauve」衛星が米SpaceX社のロケットにより打ち上げられ、恒星活動と惑星環境の関係を探る観測ミッションを開始した(ニュースリリース)。

太陽のような恒星は、活動が活発な若い時期に強力な爆発現象(フレア)を頻発する。これらのフレアは高エネルギーの紫外線やX線を放出し、周囲の惑星の大気や表面環境に影響を与えると考えられている。
しかし、地上では大気によって紫外線が吸収されるため、恒星フレアを直接観測することは困難だった。 こうした背景のもと、恒星活動と惑星の居住可能性の関係を明らかにすることを目的に、英Blue Skies Spaceが主導する国際共同プロジェクト「Mauve」が立ち上げられた。京都大学は同社と機関間契約を結び参画している。
Mauve衛星は、口径13cmの望遠鏡を搭載した超小型衛星で、地上からは観測できない200〜700nmの紫外線から可視光の波長域を観測する。日本時間2025年11月12日にSpaceX社のロケットで打ち上げられ、地球低軌道から恒星フレアの紫外線放射を長期間モニターする。
このデータにより、恒星フレアに伴う紫外線放射のメカニズムの解明が期待される。結果として、若い太陽型恒星がどのように惑星の大気を加熱・剥離させるか、また生命にとって安全な環境を維持できるかを解明することに繋がる。紫外線による恒星活動の長期間の連続観測は世界的にも初の試みであり、恒星と惑星の進化をつなぐ新しい研究分野を開く成果だとしている。
研究グループは、今後は、2026 年初頭に得られる初期データを用いて、太陽や地球型惑星の進化を理解する手がかりを得ることが期待されるとしている。