東北大など、可視光の広域動画観測で0.5秒だけ光る閃光現象を約1500個発見

東北大学、東京大学、理化学研究所・NTT・東京科学大学は、広視野カメラ「Tomo-e Gozen」を用いて、世界で最も高感度な夜空の「広域動画観測」を行ない、わずか0.5秒だけ光る閃光現象を1500個以上発見した(ニュースリリース)。

(図)動画データから検出された閃光現象

私たちが夜空を見上げると、同じような星々が瞬いているように見える。しかし実際の宇宙は、恒星の大爆発(超新星爆発)のように突発的でダイナミックな現象に満ちている。こうした時間とともに変化する宇宙を研究する分野は時間領域天文学と呼ばれ、世界中で活発に探究されている。

これまで数日から数か月にわたって明るく輝く天体現象が知られていたが、より短い時間スケールでの可視光現象の観測は困難だった。特に 1 秒程度の天体現象については、短い時間間隔で空の広い領域を観測することの困難さから、その存在すら明らかではなかった。

こうした短時間の天体現象を探る上で、もうひとつの課題がある。それは、地球の周囲を回る人工衛星やスペースデブリ。これらは太陽光を反射して一瞬だけ強く光ることがあり、遠方宇宙からの突発現象と区別がつきにくく、観測の妨げとなる可能性がある。

しかし、人工物体がどの程度の頻度で閃光を放つのかは、これまでほとんど分かっていなかった。この不確かさが、可視光における秒スケール宇宙の探究を阻んできた。

今回、研究グループは、広視野カメラを用いて、0.5秒ごとに夜空を撮影する動画観測を行なった。このカメラは高速で画像を読み出せるCMOSセンサーを搭載しており、空の広い領域を秒単位で観測可能。このカメラを用いることで、世界で最も高感度な広域動画観測を実現した。

さらに、機械学習による専用解析ソフトを開発し、大量の動画データから突発的な閃光を効率的に検出できる仕組みを整えた。

解析した約85TBのデータから、0.5秒だけ光る閃光現象を1554個発見した。そのうち564件は既知の人工衛星やスペースデブリの位置と一致し、人工物体が多くの閃光現象を引き起こすことが明らかになった。

残りの991個も、その多くは位置を変えて何度か検出されており、同様に地球を周回する人工物体の閃光現象だと考えられる。

観測結果から、このような閃光現象の頻度は、空の1平方度当たり1時間に10回程度であることが分かった。空全体に換算すると1日に約1000万回もの閃光が発生していることになる。

研究グループは、この結果により、可視光で秒スケールの突発天体現象を探す際に考慮すべき人工物体の影響が明らかになり、今後の突発天体探査に向けた重要な一歩となったとしている。

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