京セラは,インクや樹脂の硬化,接着などに活用されているUV LED光源において,優れた硬化性能を有しつつ,世界最小クラスとなる小型化を実現した空冷式UV LED光源「G7Aシリーズ」を開発したと発表した(ニュースリリース)。2025年6月から販売を開始。
近年,UV硬化用光源は消費電力削減によるCO2抑制やオゾンの発生抑止による環境への配慮,水銀規制への対応が重要な課題となっている。また,昨今の製造現場ではさらなる省スペース化が求められていることから,より小型で高い硬化性能を有する光源が求められている。
この製品は,同社独自技術の放熱性に優れたセラミック基板とヒートシンクを含むモジュール放熱設計により,エネルギー効率を最大限まで高め,空冷式UV LED光源で世界最高クラスの照度20W/cm2を実現した。さらに,硬化性の重要な指標となる積算光量400mJ/cm2を達成したことにより,水冷式に匹敵する高速硬化性をコンパクトなサイズで実現しているという。
また,従来の高出力品であるG5Hシリーズと比較して,製品の設置面積を62%削減,高さを10%低減したことで,同じ光学性能を持つ製品において世界最小クラスのサイズを実現した。照射窓サイズは30mmを確保し,高い硬化性能を維持しながら省スペース化に貢献するとしている。
この製品は120mm単位のユニット構造を採用しており,光源を連結することで最小120mmから最大2,400mmまでの照射幅に対応できる。これにより,多種多様な印刷物に合わせて,柔軟に照射幅をカスタマイズすることが可能。また,シリアル通信により外部機器との接続が可能で,約30mm単位で照射を制御できるため,印刷物に応じたLED照射幅の調整や照射領域の選択が可能だという。
さらに,シリアル通信によりLED温度,LED電流,ファン動作時間,累積照射時間などのモニタリング機能を有する。また,UV LED光源の異常検知や装置側の制御システムへのエラー出力,フィルタ交換時期やLED寿命通知も可能で,システムの安定稼働を実現するとしている。
製品仕様は以下の通り
製品名 | 空冷式 UV LED光源「G7Aシリーズ」 | |||
LED波長 | 365nm | 385nm | 395nm | |
照度 | 照射距離 0mm | 13W/cm2 | 20W/cm2 | |
照射距離 10mm | 9W/cm2 | 12W/cm2 | ||
積算光量(50m/min 時) | 300mJ/cm2 | 400mJ/cm2 | ||
照射幅 | 120mm | |||
製品サイズ(W×D×H) | W120×D52×H151mm | |||
照射窓サイズ(D) | 30mm | |||
重量 | 1.0kg | |||
生産拠点 | 滋賀東近江工場 |