大同特殊鋼、赤外・赤色の高出力点光源LED素子を開発

大同特殊鋼は、世界最高レベルの光出力を有した赤外(発光波長940nm)・赤色(発光波長650nm)の高出力点光源LED素子を開発した。また、同開発品を透明樹脂で封止した表面実装部品(SMD)も併せて開発した(ニュースリリース)。

近年、ものづくりの現場では人手不足を背景に、人と同じ空間で安全に作業ができる協働ロボットやAGV/AMRの普及が進んでいる。それに伴い、作業者の安全確保やロボット、AGV/AMRの衝突回避のために高精度なセンシングが求められている。これらのセンシングには距離検出用の光電センサーが広く用いられており、この光電センサーは、投光した光を物体に当てて、跳ね返ってきた光がセンサーのどこに届くかによって距離を測る。物体までの距離が変わると、戻ってくる光の当たる位置も変わるため、その位置から距離を判断する。このため、光の広がりを抑えた小さな光スポットを形成できる点光源LEDは、光電センサーにおける距離検出精度および位置検出精度を高めるうえで重要な光源として位置付けられている。

(図)点光源LEDと面発光LEDの比較

協働ロボットに使われる衝突防止用光電センサーでは、周囲の作業者にまぶしさを与えない不可視光である赤外光(発光波長940nm)が主に利用されている。長距離での検出や外乱光(太陽光や照明)による誤検出の防止、さらに透明体や低反射物体を安定して検出するためには、LED素子・SMDの高出力化が不可欠である。

また、半導体製造装置に用いられる光電センサーでは、ウェハの位置決めやアライメントといった高精度な位置検出を目的に、光軸合わせやセンサー設置時の調整が容易な赤色光が広く採用されている。ウェハ端部のような微小対象物を安定して検出するためには、こちらもより高出力な光源が必要とされてきた。こうしたニーズに対応し、同社は世界に先駆けて発光波長940nmの高出力点光源LED素子・SMDを開発した。また、発光波長650nmについても高出力点光源LED素子・SMDを新たにラインナップに加えた。

高出力赤外点光源LED素子「MED9P2」は、同社の現行品である「MED8P54」(発光波長855nm、発光窓径Φ160μm)と比べて、約3倍の光出力を実現した。赤外光を用いる光電センサーでは、長距離検出や外乱光による誤検出の抑制、透明体や低反射物体の安定検出が求められており、今回の高出力化はこうした性能向上に大きく寄与する。

また、高出力赤色点光源LED素子「MED7P25」は、同社現行品「MED7P14C」(発光波長650nm、発光窓径Φ160μm)に比べて、約1.5倍の光出力を達成した。赤色光は主に半導体製造装置向けの光電センサーで用いられ、ウェハの位置決めやアライメントなど高精度な位置検出に利用されることから、今回の高出力化によって微小対象物の検出性能向上が期待される。

さらに、SMD製品については、これらの高出力点光源LED素子を小型パッケージであるJIS規格1608M(幅1.6mm、奥行0.8mm、高さ0.7mm)に搭載した。これにより、限られたスペースへの実装がしやすくなるとともに、デバイス設計の自由度も高まるとしている。

後の需要拡大が見込まれる光電センサーや、協働ロボットの近接センサー・測距センサー、AGV/AMR等のLED-LiDARの高精度化に貢献するとしている。

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