農工大,レーザーで均一なナノ周期構造を形成

東京農工大学の研究グループは,チタン表面に高強度のフェムト秒レーザーパルスを照射するだけで,周期が490nmで一定で直線性の良いナノ構造体を,固体表面から直接削り出だせる技術を開発した(ニュースリリース)。

サブミクロンサイズの構造体を固体表面に付与すると,撥水性や親水性のような力学的特性を付与できることや,光の反射・吸収・透過量の変化や偏光面の回転のような光学的特性を付与できることがよく知られており,このような機能を持った表面の応用が注目されている。

しかし,サブミクロンサイズの加工を行なうためには,これまでは半導体デバイス製造に使われている技術を使う必要があるため,製作工程が複雑であるという課題があった。

一方,フェムト秒レーザーパルスを複数パルス照射することによって,固体表面にナノメートルサイズの周期構造体を直接形成する技術はあったが,この現象はレーザー光の強度によって周期が変化する。

そのため,レーザー装置から出力されるガウシアンビームを用いると,周期が一定の領域が小さいことに加え,その周囲にレーザー光で形成した改質領域が形成されてしまい,目的とする機能表面がレーザー照射部分の2割未満しか得られないことが課題だった。

研究グループはまず,中心波長1047nm,パルス幅300フェムト秒(fs)のフェムト秒レーザーパルスの強度分布を正方領域で均一になるように整形した。次に,そのビームを回折光学素子によって2つに分け,それらを加工面で重ねることにより,均一で直線性の良い周期1.9μm(1900nm)の干渉縞を発生させた。

これらのビームによってチタン表面に独自技術である2ステップ加工法を行なった結果,周期が490nm で一定で直線性の良いナノ構造を一辺が53μm(5300nm)の正方領域に全面に形成することに成功した。

この構造はレーザー照射部分の95%以上にわたって形成され,改質領域がほとんど生じなかった。これは従来のガウシアンビームを用いた場合に比べ,約6倍の効率で目的の機能表面を得ることができたことを示しているという。

研究グループは,この技術により,固体表面に撥水性や親水性のような力学的制御機能だけでなく,光の反射や吸収などこれまでにない光学的制御機能を容易に与えることができると期待されるとしている。

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