NTT,フィールド環境で12コア455Tb/s光伝送に成功

日本電信電話(NTT)は,外乱によって光ファイバケーブル内の信号伝搬環境が変動するフィールド環境下において,安定した最大455Tb/sの信号伝送の実証に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。

旺盛な通信需要を支えるために陸上基幹光ネットワークは継続的な大容量化が必要となっている。これまでの結合型マルチコアファイバの研究では,主に実験室環境に置かれたファイバ素線を用いて,大洋横断級長距離伝送の実現可能性などが検証されてきた。

一方,同ファイバを用いた陸上伝送システムの実用化へ向けては,時々刻々と光ファイバケーブル内の信号伝搬環境が変動するフィールド環境における安定的な大容量伝送の検証が重要となる。

今回,12個のコア間で信号の結合が発生する12結合コアファイバを,伝搬遅延ばらつきを大幅に低減しながらケーブル化し,実際の陸上フィールド環境を模擬したとう道・架空区間へ敷設した。

住友電工によるファイバ融着技術と,千葉工大によるコネクタ技術をフィールド検証環境内のマルチコアファイバ間直接接続に適用。どちらも接続点あたりの光損失が従来のシングルモードファイバ同士の接続と同水準を実現したという。

信号のフォーマットとして,シンボルレート140ギガボーの偏波多重PCS-36QAM信号を採用。さらに,敷設環境における保守作業や風雨などの外乱に追従可能な精密な大規模MIMO信号処理技術との融合により,世界初の12コアファイバフィールド光増幅中継伝送実験に成功した。

はじめに,伝搬遅延ばらつきと光損失ばらつきを1時間にわたって評価し安定した値を示すことを確認。これは,フィールド環境における安定的な空間・波長分割多重伝送の実現可能性を支持する結果だとする。

次に,各波長チャネル信号の伝送後の信号品質評価を実施した。その結果,伝送距離53.5kmにおいて,各波長信号がそれぞれ14Tb/s以上の伝送容量を持ち,総伝送容量は455Tb/sに達することを確認した。

これは,これまで陸上フィールド環境で実施された空間分割多重伝送実験で最大のものであり,現行陸上システムの50倍以上の伝送容量に相当する。さらに,伝送距離1,017kmにおいても,それぞれ12Tb/s容量以上の波長信号により総伝送容量389Tb/sの容量を達成した。

同社は,今後,関連技術分野と連携し,この技術の研究開発をさらに進めることで,2030年代のIOWN構想・Beyond 5G/6G時代の大容量光伝送基盤の実現に貢献する,大容量陸上ネットワークの実用化をめざすとしている。

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