NTT、超薄の透過型液晶メタサーフェスデバイスを開発

NTTは、世界最薄とする3.5μmの透過型液晶メタサーフェスデバイスを開発し、透過電波の方向や集光位置の可変制御を実証したと発表した(ニュースリリース)。

(図)試作した厚さ3.5μmの透過型液晶メタサーフェスデバイス

現在、6Gにおける多様なユースケースを支える超高速無線通信の実現に向け、広帯域を利用可能な7~24GHz(FR3)帯やサブテラヘルツ帯の電波利用が議論されているが、一般的に周波数が高くなるほど電波の伝搬は光に近いふるまいとなり、回り込みが弱く、遮蔽物の影響が受けやすくなるという問題がある。特に、屋外―屋内間は伝搬経路が窓などに限られるため、電波の届かない不感地帯が形成されやすい傾向にある。

こうした中、薄型の面状デバイスであるメタサーフェスデバイスを用い、大面積の面で電波を必要な場所に誘導するRIS(Reconfigurable Intelligent Surface)技術への期待が高まっている。実際、同社では、メタサーフェスデバイスを窓ガラスに設置することにより、屋内の電波環境が改善できることを実証した。

今回、同社はFR3 帯やサブテラヘルツ帯の周波数の高い電波帯でも薄い液晶層を実現する独自の液晶メタサーフェス構造を実現し、透過型メタサーフェスの波長に対する液晶層の厚さとしては、従来の1/10 以下となる最薄の液晶層を達成し、透過波の方向および集光位置の可変制御を設計通りに実現できることを確認した。

デバイスはサブテラヘルツ帯で試作したものというが、液晶厚みを周波数設計から切り離した構造で、例えばFR3帯である10GHz帯においても同様に3.5μm厚の液晶層で液晶メタサーフェスの設計・製造を可能にするという。将来的には可視光に対して透明に作製することで、市中の景観に影響を与えずに窓ガラスなど設置し、電波を自在に制御することが期待されている。

今後はNTT グループ内外の連携を一層加速し、実環境・実システムを通した応用検討を進めるとともに、この成果のさらなる高機能化・高性能化およびユースケース拡大を目指すとしている。

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