日本電信電話（NTT）と台湾中華電信は，双方のオールフォトニクス・ネットワーク（APN）を用いて，中華電信のデータセンタからNTT武蔵野研究開発センタまでを開通し，約3,000kmの長距離を片道約17msecの低遅延かつゆらぎのない安定した通信を実現した（ニュースリリース）。

2023年10月25日に締結した基本合意書に基づき，2024年8月29日，両社は日本と台湾間においてIOWNのAPN技術を活用した国際間のネットワークを，世界で初めて開通した。

国際間APNの開通にあたり，NTTは，NTT武蔵野研究開発センタ（日本：武蔵野市緑町）から日本国内の海底光ファイバー陸揚げ局まで，中華電信は，そこから台湾の陸揚げ局，桃園データセンター（台湾：桃園市桃園）までのAPNを構築した。

そして両社が，それぞれの区間を接続するとともに，End-to-Endでの通信が安定して行なわれることを確認した。この国際間APNは100Gb/sの光パスで実現している。通信品質試験を行なった結果，遅延は片道で16.92msec，遅延ゆらぎはほとんどなかったとしている。

なお，この国際間APNは，IOWN Global ForumのOAA（Open All-Photonic Network Functional Architecture）に対応している様々なメーカーの機器を利用し，相互接続を実現しているという。

両社協力の下，日本と台湾に拠点を置く半導体分野などの製造業を中心に，被災時のBCP対策としてのデータバックアップやレプリケーションサービス，大規模言語モデル（tsuzumi）などを今後提供していくとしている。