NTTとKDDI,光ネットワークの標準化で基本合意

日本電信電話株式会社(NTT)とKDDIは,光伝送技術やモバイルネットワーク技術ならびにその運用管理技術など,両社が共に強みを生かせる光ネットワーク分野の標準化に向け基本合意書を締結した(ニュースリリース)。

Beyond 5G/6G時代では社会の情報化がますます加速し膨大な情報処理が必要となる。そのため,既存の情報通信システムに対するさらなる伝送能力の拡大や処理能力の高速化と,カーボンニュートラルに求められる低消費電力化が必要となる。

またこれらの課題を解決し,世界中で革新的なサービスを利用できるようにするためには,世界中のパートナーとのオープン・イノベーションを活用して光ネットワークに関わる最新技術の研究・開発を迅速に進めるとともに,標準化による普及を進めることも必要となる。

今回の合意書の概要は以下の通り。
1.高速化と品質維持を両立するオールフォトニクス・ネットワーク(APN)の伝送方式の標準化
APNは低消費電力かつ低遅延が特長な一方,さまざまなサービスごとに有限の光波長を効率的に割り当てる手法や,光ファイバー中や光増幅器での伝送品質劣化の抑制が課題となっている。両社が強みとする,光ファイバーやそれに関連する通信技術,国内外での社会実装の実績を基に,APNの実現,拡張,キャリア間の相互接続に向けた標準化活動を推進する。

2.モバイル通信におけるAPNの標準化
両社はモバイルネットワークにAPNを適用するための技術の標準化活動を進め,基地局を含むコアネットワーク内や,エッジやクラウドがあるデータセンター間をAPNで繋げることで,モバイル通信・サービスの高度化に寄与する。

3.オーケストレーション技術の標準化
さまざまなICTリソースの配備と構成の最適化を実現する強靭なネットワークにおいて両社は,これまで培った光ネットワークの監視・制御技術の標準化活動を推進し,マルチベンダシステムにおいても信頼性の高い光ネットワークを実現する。複数の光ネットワークを協調して監視制御するオーケストレーション技術を両社で検討し,強靭なネットワークの実現を推進する。

両社は今後,標準化活動を進めるにあたり,オープン・イノベーションの推進の場として,IOWN Global Forumなどの活用の仕方なども含めて検討を行ない,将来的にITU-Tなどでの技術の標準化をめざすとしている。

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