ローム,ユニバーサルデザイン青緑色LEDを開発

ロームは,機器のカラーユニバーサルデザイン化に貢献する1608サイズ(1.6×0.8mm)の青緑色チップLED「SMLD12E2N1W」および「SMLD12E3N1W」を開発した(ニュースリリース)。

世界には赤色と緑色を見分けにくいと感じるP型,D型色覚者が約2億人いると言われおり,色の組み合わせによってはかえって正しく情報が伝わらない場合がある。さらに,色覚には個人差があるためお互いの色の見え方や不便さが想像しにくく,また周囲の人がその不便さに気づきにくいという課題もある。

こうした中,より多くの人々に等しく情報を届けるため,多様な色覚に配慮したカラーユニバーサルデザイン対応機器の社会的必要性が高まっている。

世の中には,赤色と緑色で情報を伝える機器が数多くあるが,青緑色と橙色もしくは黄色を使用することで,赤色と緑色が見分けにくいと感じるP型,D型色覚者の方も違いを識別しやすくなる。

同社は徹底した品質管理と素子の製造段階から作りこみを行なう一貫生産体制により,特殊波長(λD:496nm/505nm)の青緑色LEDの開発に成功した。

この製品は,業界で初めて1608サイズで第三者認証機関NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)の認証を取得しており,多様な色覚をもつ人々に配慮する配色・デザインの実現に貢献するという。

新樹脂を採用することで,従来エポキシ樹脂の課題であった光度劣化による製品の短寿命,シリコーン樹脂の課題であった実装性を左右するモールド強度をそれぞれ改善。車載信頼性規格AEC-Q102に準拠した製品もラインアップしており,高信頼性が求められる車載や産業機器でも使用できる。

今回のCUD認証の取得により,同社の青色LED「SMLD12BN1WT86(λD:470nm)」と暖色系のLED「SML-D15YW(λD:590nm)」「SML-D15DW(λD:605nm)」を含めた配色パターンにより,色の感じ方の異なる多様な色覚をもつ人々が識別可能な,カラーユニバーサルデザイン化に対応できる。

なお,この製品は,2020年4月より月産100万個の体制で本格量産出荷(サンプル価格60円/個:税抜)を開始している。

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