ToFセンサー市場,2025年に1,028億円に

富士キメラ総研は,技術開発が進む半導体デバイスの世界市場を調査し(ニュースリリース),その結果を「2018先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた。

それによると,各カテゴリーが堅調に伸びており市場は拡大を続けている。今後,特にDRAMやNANDの需要増加によりメモリーが大きく伸びるとみる。メモリーは,今後も大幅な伸びを予想。DRAMはサーバー/PC向け,NANDはSSD向けを中心に引き続き需要増加を期待する。

ただし,DRAM,NANDともに供給不足が解消されており,2019年以降は価格低下を予想,金額ベースの伸びは数量ベースを下回るとみる。次世代メモリーとして期待される強誘電体メモリーや3DXP・MRAM・Z-NANDはデータの信頼性が要求されるアプリケーションを中心に採用が進むとみる。

ロジックは,PCやスマートフォン市場の伸びが鈍化しているものの,自動車やサーバー用LSI,ゲーミングGPUなどでの需要増加により堅調な市場拡大を予想する。特に,車載SoC・FPGAはADAS車両や自動運転車両の普及に伴い需要が増加するとみる。現状,構成比の大きいモバイル用APは,中国のスマートフォン需要が一段落したことで,今後は縮小を予想する。

センサーやディスクリートは,画像,音声,距離といったセンシング情報がエッジAIと密接に関連するため高機能化が進み,特にAI対応が進む画像関連でイメージセンサーの需要が高まると予想する。また,センシング情報をフィードバックするためのモーターや電源の高効率化により,ディスクリートの採用が進むとみる。

SSDの出荷拡大による需要増加や,スマートフォンのメモリー搭載容量の増加により,市場は拡大を続けているが,2018年に入って製品単価は下落しており,金額ベースの伸びは数量ベースを下回るとみる。

サーバーでの採用が増えているSSD向けは,特にAIをキーワードに大容量ストレージ需要が増加している。また,PC用のSSDの搭載容量は,2018年は256GB製品が標準であったが,2019年には512GB製品が増えるとみており,市場の伸びに貢献すると予想する。

スマートフォン向けは,スマートフォン市場が横ばいから微増であるものの,中国のローエンドからミドルレンジの機種でメモリー搭載容量が増えていることや,ハイエンド機種で512GBメモリー搭載製品が登場しており,堅調な需要を予想する。

TOFセンサーは,DirectTOFとPhaseTOFの二方式がある。DirectTOFはスマートフォンのオートフォーカスや近接センサーなどで使用され,PhaseTOFは3D顔認証やARなどでの使用が進むとみる。2016年から2017年にかけて,スマートフォンでDirectTOFの搭載が増加した。夜間などの低照度環境におけるオートフォーカスの応答速度向上のために,イメージセンサーを補完する目的でTOFセンサーが使われているという。

特に中国や韓国のスマートフォンメーカーでの採用が多く,また,近接センサーとしては,従来の赤外線センサーに比べて高精度な存在検知が可能なため採用が増えているとする。一方,PhaseTOFは,3Dセンシング用途でスマートフォンのAR向け,車載HMI(ジェスチャーコントロール),ロボットの空間検知などを目的に採用されている。そのほか,人カウンターや産業機器における障害物検知などでも採用されている。

今後,スマートフォンで顔認証やARを目的にPhaseTOFの本格採用が始まるとみる。また,PhaseTOFは自動車への搭載も期待されるという。すでにセンターコンソールにおけるHMI向けで採用されているが,ヘッドライトや運転手モニタリング向けの採用も検討されている。ドローンやHMDなどでも採用が増加するとみる。

自動車に搭載されるSoC(SystemonChip)とFPGA(Field-ProgrammableGateArray)のうち,SoCは特定のシステムの動作に必要な機能を一つの半導体チップに実装した製品。FPGAは製造後にユーザーが構成を設定できる集積回路製品。自動運転車両の普及に伴い市場は拡大しているという。

2017年時点でADAS車両(自動運転レベル2まで)はおよそ2,000万台,レベル3相当の自動運転車両は1万台が出荷されている。自動運転車両の普及,また,自動運転レベルの向上に伴う搭載数の増加により,車載SoC・FPGAの市場も拡大が期待されるとした。レベル3以上の自動運転車両の普及が拡大する2025年の市場は5,416億円を予測する。

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