総務省は、2026年度から新たに実施する「電波資源拡大のための研究開発」の提案公募において、NTTドコモ、NEC、1Finity、NTT、富士通の5社が共同で提案した「周波数帯の横断的活用を実現する移動通信ネットワークの研究開発」を採択した(ニュースリリース)。本プロジェクトは、2030年代の第6世代移動通信システム(6G)の実現を見据え、AIを用いて複数の周波数帯を最適に制御する技術の研究開発を2026年度から2029年度までの4年間にわたり実施するものである。5Gから6Gへの段階的な移行期において、予測される通信量の増大や多様な通信要求に対応するための柔軟かつ高性能な通信基盤の整備は不可欠であり、周波数のひっ迫解消やネットワーク全体のエネルギー効率の向上が急務となっている。

研究の柱の一つはAIを活用した高度なvRAN技術であり、AIが通信環境や端末の状況をリアルタイムに分析・予測することで、低周波数帯から高周波数帯まで、複数の周波数帯を最適に割り当て、通信性能を向上させる技術の開発が進められる。また、7〜24GHz付近の「FR3」や300GHz帯の「サブテラヘルツ帯」といった新たな周波数帯の有効活用に向け、複数帯域に対応した小型・省電力な基地局装置(RU)や、計算処理の効率化を図るCU/DU技術、超高速・大容量の無線伝送技術の確立も重要な課題である。2029年度末までの主な成果目標として、移動端末の実効スループットおよび高周波数帯利用率の2倍以上の向上、さらにネットワーク全体の消費電力を半分に削減し、基地局のコスト効率を2倍に高めることが掲げられている。本研究開発の成果は、国際的な標準化団体への提案活動にも活用される予定であり、6G分野における日本の国際競争力の強化と、次世代の社会基盤の構築に大きく寄与することが期待される。



