高知大、深紫外発光ダイオードで飼育水由来の感染を防ぐことを解明

著者: 編集部

高知大学の研究グループは、UV-C LED照射下において、水量ならびに循環流量に基づく減菌率の予測が可能であり、E. tardaを含む飼育水を介した細菌感染を抑制する効果を確認した(ニュースリリース)。

深紫外発光ダイオード(UV-C LED)は、長寿命、無水銀、ウォームアップの不要といった特性から、従来の水銀灯を用いた紫外線殺菌器に代わる次世代の殺菌装置として注目されている。閉鎖循環式陸上養殖システム (RAS)では魚病対策として水銀灯殺菌器が使用されているが、消費電力が大きく、ランニングコストも高額という課題がある。

そこで研究グループでは、各種魚病細菌に対するUV-C LED照射による殺菌効果ならびにRASにおける深紫外発光ダイオードの実用化に向けた紫外線照射による細菌感染症の拡大抑制効果について検討した。

供試菌として、エドワジェラ症原因菌 Edwardsiella tarda、ビブリオ病原因菌 Vibrio rotiferianus、滑走細菌症原因菌Tenacibaculum maritimum、α型溶血性連鎖球菌症原因菌 Lactococcus garvieae、β型溶血性連鎖球菌症原因菌 Storeptcoccus iniaeおよびノカルディア症原因菌Nocardia seriolaeを用いた。

まず、これらの供試菌液に対するUV-C LED照射による殺菌効果を調べ、次に、E. tarda菌液をRAS内で均等に攪拌後、紫外線を照射し、経時的に海水中の生菌数を測定した。さらに、UV-C LED照射の殺菌効果に加え、RASにおける水量および循環流量を用いて水槽内の減菌率をシミュレーションにより試算した。

その結果、全ての供試菌に対してUV-C LEDによる殺菌効果が認められ、RAS内のE. tardaの生菌数は、紫外線照射後、経時的に減少した。またシミュレーション結果からは、UV-C LED照射下において、水量ならびに循環流量に基づく減菌率の予測が可能であり、E. tardaを含む飼育水を介した細菌感染を抑制する効果が確認された。

研究グループは、魚の病気を防ぎながら、環境への負担を抑えた、持続可能な養殖システムの実現に貢献することが期待されるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 名城大など、サファイア基板上で深紫外半導体レーザーの室温連続発振を達成

    名城大学、ウシオ、三重大学、日本製鋼所は、深紫外(UV-B:280〜320nm)領域の半導体レーザーにおいて、世界で初めて、安価なサファイア基板を用いて医療に最適な300~320nm帯域での室温連続発振(CW)を実証した…

    2026.01.19
  • オキサイド、半導体後工程向け高パルスエネルギー深紫外レーザーを開発

    オキサイドは、半導体ウエハー欠陥検査用(前工程)に特化した深紫外(DUV)ピコ秒レーザー「QCW Kalama」シリーズに、半導体後工程に向けた高パルスエネルギーモデルを新たなラインナップとして加え、2025 年12月1…

    2025.12.23
  • ams OSRAM,UV-C LEDの効率を2倍に向上

    ams OSRAMは,新しいUV-C LEDにおいて,10%を超える標準電力変換効率(WPE)を達成した(ニュースリリース)。 表面,液体,空気中の病原体を除去することは,日常生活,そしてさまざまな業界にわたって,人間の…

    2025.09.03
  • 徳島大ら,水銀フリープラズマ方式遠紫外線光源開発

    徳島大学と紫光技研は,水銀フリーで,生体への安全性と殺菌効果を両立したプラズマ方式遠紫外線(far-UVC)光源を開発し,その殺菌及びウイルス不活化効果を実証した(ニュースリリース)。 光波長200~230nmのfar-…

    2025.06.25
  • ams OSRAM,殺菌・処理を提供するUV-C LEDを発売

    オーストリアams OSRAMは,効率的な殺菌・処理ソリューションを提供するUV-C LED「OSLON UV 3535」を発表した(ニュースリリース)。 新製品は,UV-C殺菌ソリューション向けに特別に設計さ…

    2024.11.27
  • 豊田合成,最高級出力(200mW)UV-C LEDを開発

    豊田合成,最高級出力(200mW)UV-C LEDを開発

    豊田合成は,除菌用の水銀ランプの代替光源として期待されるUV-C(深紫外線)LEDにおいて,世界最高水準となる光出力200mWを実現した(ニュースリリース)。2024年4月より国内外でサンプル販売を始める。 UV-C L…

    2024.04.22
  • 三重大ら,縦型AlGaN系深紫外LD基板の剥離法を開発

    三重大学と名城大学は,高光出力の深紫外LEDや深紫外半導体レーザーを実現するために不可欠である,縦型AlGaN系深紫外半導体レーザーの開発において,半導体プロセスに導入しやすい加熱・加圧した水で基板剥離する技術を開発し,…

    2023.10.30
  • 名城大ら,縦型AlGaN系UV-B半導体レーザー開発

    名城大学,三重大学,ウシオ電機,西進商事は,高光出力深紫外半導体レーザー実現に必要不可欠である縦型AlGaN系深紫外(UV-B)半導体レーザーを開発した(ニュースリリース)。 半導体レーザーの光出力は,その効率と注入電流…

    2023.10.18

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア