全日空商事、宇宙光通信スタートアップのワープスペースに出資

著者: オプトロニクス 編集部

全日空商事は、つくば発の宇宙光通信スタートアップであるワープスペースに出資したと発表した(ニュースリリース)。

ANAグループでは、「次は、宇宙へ」のスローガンを掲げ、宇宙分野での事業創出を推進している。そのなかで、同社は、航空産業を中心に確立してきた商社としての知見やグローバルネットワークに加え、トレーディング・ファイナンス・事業投資などの商社機能を活用して、宇宙産業のボトルネックを解消するビジネス開発に取り組んでいる。

昨年はニュージーランドのスタートアップ企業2社(Zenno Astronautics Ltd.およびDawn Aerospace New Zealand Ltd.)と基本合意書を締結するとともに、アイネットと宇宙産業における衛星サプライチェーン構築を目指した包括的業務提携契約を締結した。

また、衛星向けハイブリッドエンジンを開発するLetaraへ出資し、資本業務提携することで、同社の海外事業展開やサプライチェーンの最適化を進めている。今回新たに宇宙光通信技術を保有するワープスペースに出資を行ない、サプライチェーンマネジメントと海外事業展開の支援を目的とした資本業務提携契約を締結した。

今後、宇宙通信は電波から光に移行し、より速く、大量かつ安全にデータを送れる時代になると予測されている。同社は、複数の光通信規格間での相互接続を可能とする宇宙光通信モデムを開発しており、衛星と地上局間だけでなく将来的には衛星間における光通信利用を推進していく。

また、数千機の衛星の挙動や軌道を瞬時にコンピューター上で再現するデジタルツインサービスを開発しており、需要が広がる衛星コンステレーションに対応するソリューションも提供していく。

同社は資本業務提携を通じて、商社機能を活用した海外調達・海外販売支援を行なうことで、宇宙通信の変革を実現する技術を保有するワープスペースの成長と宇宙光通信の確立に寄与し、我が国の宇宙産業の発展に取り組んでいくとしている。

■ワープスペース開発製品について

【HOCSAI】
光通信規格間の「翻訳機能」付光モデム。光通信利用やネットワーク間の相互運用を容易にし、高速通信を実現。宇宙用「Astra」と地上用「Terra」を開発中。

【DTS(Digital Twin System)】
中継通信や複雑な衛星コンステレーションまで、多様なスケールのミッションを忠実に再現するデジタルツインシステム。衛星コンステレーションの開発初期から、打ち上げ後の運用までをトータルにサポートする開発プラットフォーム。

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