京セラは、メタサーフェス光制御技術を応用し、波長ごとに集光位置を制御可能な「メタレンズ」の開発に成功したと発表した(ニュースリリース)。

メタレンズとは、ガラス表面に光の波長より小さな柱状構造メタアトムを並べることで光を制御する、メタサーフェス技術を用いたレンズ。この構造により、従来は1cm以上の厚みが必要だった光学レンズを1mm以下の薄さで実現できる。
さらに、メタアトムの設計によって、単一のメタレンズに波長や位相制御など、複数の光学特性を統合することができるため、従来必要だった複数の光学部品を大幅に削減できる。レンズの薄型化に加え、光学系全体の部品点数の削減により、デバイスの小型・軽量化に貢献するとしている。

また、同社独自のメタアトム設計技術により、光の色に応じて結像位置が変化する特性を持ったメタレンズを開発した。このメタレンズを用いることで、たとえば緑色の像は奥に、赤色の像は手前にといったように、色ごとに異なる高さに映像を浮かび上がらせることが可能だという。
異なる位置に映像を作りだすことで、奥行き差を持つ立体的な空中映像が表示でき、ウェアラブルサイズの光学系でも自然な奥行き感を表現することが可能となったとしている。
現在は色ごとに結像位置が変化する空中映像を実現しているが、同社は今後はさらに波長制御の自由度を高めることで、より多色で高精細な空中映像表示へと進化させることが可能だという。