国立情報学研究所(NII)、NTT、NTT東日本は、激甚災害時のネットワーク維持を想定し、通信状況に応じて光伝送レイヤの設計・制御を自動化することによって、波長変換を含む光波長パスにおける経路切替やオンデマンド追加設定を短時間で実現する技術の実証に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。

近年、昨今激甚化する風水害や地震等の災害による光ファイバの切断等による通信障害が相次いでいる。
NTTでは、リストレーション切替を短時間で実現する技術や、その制御機能を応用したオンデマンド光波長パス設定を実現する技術の開発を推進しており、光信号レート、伝送方式、波長を自動で評価した上で最適設定するAPNコントローラ技術の開発を進めている。
今回、東京都内の3つのデータセンタ(A、B、C)を光ファイバで接続した光伝送ネットワーク環境において、以下の2つのユースケース検証を実施した。
今回の実験では、リストレーションによる経路切替を自動で実行してトラヒックの転送を復旧させるような、以下シナリオを検証した。
①光伝送ネットワークの経路障害(A-C間)を模擬
②迂回経路のルートを自動設計し、伝送特性・光信号レートを事前診断
③診断結果に基づき、光信号レートを200Gb/s(A→C)から100Gb/s(A→B→C)に変更した光波長パスを迂回経路として自動設定し、伝送経路を切替
④変更後の光信号レートに合わせ、IPコントローラがスイッチ装置へのトラヒック制御を実施し、一部のトラヒックを回復
⑤光信号レートを下げた分を補うために、経路上で波長変換を行なった100Gb/sの光波長パス(A→B→C)を追加で自動設定
⑥IPコントローラがスイッチ装置へのトラヒック制御を解除
上記実験の結果、経路切替の操作開始から10分以内に全トラヒックの転送が回復したことを確認した。

また、通信基盤の利用帯域を拡張する場合を想定し、オンデマンドで回線を増速する設定を自動で行なうような、以下シナリオを検証した。
①IPコントローラが100Gb/sから200Gb/sへの増速要求を送出
②APNコントローラが100Gb/sの光波長パスを追加で自動設定
③IPコントローラがスイッチ装置にトラヒック分散制御を実施
上記実験の結果、増速した光波長パスにより全トラヒックが転送できたことを確認した。

同社らは、この成果の適用により、光伝送ネットワークのさらなる信頼性向上が期待されるとしている。



