パナソニックホールディングス(パナソニックHD)は、AGCおよびパナソニック環境エンジニアリング(環境エンジ)とともにコンソーシアムを組成し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する2025年度「グリーンイノベーション基金事業 次世代型太陽電池実証事業」に採択された「ガラス型ペロブスカイト太陽電池の量産技術開発とフィールド実証」に着手した(ニュースリリース)。
NEDOのこの事業では太陽電池メーカー単独ではなく、ユーザー企業等を含む連携体制の構築が求められており、エンドユーザーのニーズを反映した技術開発と社会実装の加速が目的とされている。その背景として、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2040年度の電源構成における太陽光発電比率を23から29パーセントに引き上げる方針が示された。平地面積が限られる日本では建物の窓や壁面を活用した発電が重要となり、ペロブスカイト太陽電池の導入拡大が期待されている。

今回のコンソーシアムではパナソニックHDが幹事企業を務め、AGCと環境エンジが委託先として参画する。三社は、建材一体型太陽電池としての活用を想定したガラス型ペロブスカイト太陽電池の事業化に向け、量産技術確立と実用環境下でのフィールド実証に取り組む。事業期間は2025年度から2029年度までの最大5年間で、公共施設や商業施設などでの実証を予定している。
量産技術開発では、高いスループットと歩留まりを実現する生産プロセスの構築を目指し、品質の安定化と量産プロセスの最適化を進める。また、フィールド実証では建築物での施工方法を含む性能検証を行ない、実環境での施工と運用を通じてデータを蓄積する。各社の役割として、パナソニックHDはモジュール出力と信頼性を含む量産技術開発および施工・配線・システム検証を担当する。
AGCは長年の建材一体型太陽電池の実績と施工技術を活かし、構造設計や品質確保を含む施工支援とフィードバックを行なう。環境エンジは建築ガラスおよび太陽光や蓄電池など電気分野のエンジニアリングを組み合わせた設計と施工支援を担い、実証結果を開発に反映する。

今回プロジェクトで取り組む、ガラス型ペロブスカイト太陽電池は、材料技術やインクジェット塗布製法、レーザー加工技術を組み合わせることで、サイズや透過性、デザイン性に優れることが特長だ。建材一体化により多様なガラス仕様に対応し、耐風圧性能など建材としての要求を満たしつつ太陽電池としての耐久性も確保している。
これにより、既存の建築施工方法を活かした導入が可能となり、都市部を含む発電設備の設置場所が拡大できるとしている。また、この技術が建築と調和した形でオンサイト発電を実現する新たなソリューションとして、持続可能な都市づくりに貢献できるものと期待されている。



