東海旅客鉄道(JR東海)と古河電気工業(古河電工)は、鉄道台車の探傷試験に先立つ塗膜除去工程において、古河電工が開発したインフラ構造物向けレーザーブラスト技術「インフラレーザー」を採用し、2025年6月から運用を開始した(ニュースリリース)。

鉄道台車の探傷試験(磁粉探傷法)は、車両の安全運行を支える重要な検査工程である。従来は振動工具を用いた機械的な塗膜除去が主流であったが、除去不足による疑似傷の発生や、強い振動(15m/s2)・粉塵の発生など、作業者負担の大きさが課題となっていた。これに対し、JR東海と古河電工は非接触で高精度な塗膜除去を可能にするレーザーブラスト技術の実用化に取り組んだ。
インフラレーザーは、レーザー光を面で照射し、金属表面の塗膜や錆を非接触で除去する技術。低熱影響設計により、部材への熱変形や組織変化を抑制しながら、磁粉探傷法での欠陥検出精度を高めることができる。今回の共同開発では、従来比約80%の塗膜除去時間短縮を実現し、振動・粉塵の発生をゼロにした。
開発は2023年2月から2025年5月まで実施され、JR東海が鉄道台車に適した機能・性能要件の提言と適用試験を、古河電工がレーザーシステムと塗膜除去技術の開発を担当した。今後、両社はこの技術を鉄道保守分野全般へ展開し、検査品質と作業環境のさらなる向上を目指すとしている。



