フォトニクスのアカデミー賞、SPIEプリズムアワード2026の最終候補者が決定

著者: 林 諭子

国際光学・フォトニクス学会(SPIE)は,2026年Prism Awards(プリズムアワード)の最終候補製品を発表した。

Prism Awardsは「フォトニクスのアカデミー賞」とも称される国際的な表彰制度であり,光学・フォトニクス分野における商業化イノベーションを顕彰するものとして知られている。授賞式は2026年1月21日,米国サンフランシスコのモスコーンセンターで開催される「SPIE Photonics West」期間中のガラ晩餐会で行なわれる。

写真は2025年開催時のもの

18回目を迎える2026年Prism Awardsでは,8部門にわたり24製品が最終候補として選出された。バイオフォトニクス機器,レーザー,量子技術,センサーなど,現在世界的に注目が集まる領域が並んでおり,今後の市場拡大を見据えた技術競争の構図が浮かび上がっている。

とくに量子技術部門では,英国CPI TMD Technologiesの「gMOT」や,カナダKi3 Photonics Technologiesの「PHASE.FIX」などが選ばれており,光計測・通信分野における量子関連技術の応用展開が一段と具体化していることを示している。

レーザー部門では,IPGフォトニクスやトプティカ・フォトニクスといった主要メーカーが引き続き存在感を示しており,高出力・高精度化に向けた取り組みが進展している。センサー分野では,ams OSRAMやPhlux Technologyが赤外線およびToFセンシングにおける新提案を発表しており,自動運転やスマートモビリティへの応用も視野に入っている。

また,SPIEは社会的・環境的課題への貢献を評価するCatalyst Awardも設けており,今年はCerca MagneticsとPicoQuant GmbHの2社が最終候補となった。研究・製造プロセスにおける社会的インパクトを重視する流れが強まっていることを反映している。

SPIEのケント・ロックフォードCEOは,「Prism Awards授賞式は,光学・フォトニクス技術が私たちの生活に与える影響を紹介する素晴らしい機会である」と述べており,Photonics West全体が次世代技術の動向を占う舞台となることを示唆している。

本授賞式には世界中から業界関係者が集い,製品トレンドや市場の方向性を把握する重要な機会となる。日本からも多くの企業・研究者がPhotonics Westに参加しており,今回のファイナリスト発表は,国内メーカーにとっても今後の開発指針を見極める上で注目すべき内容である(ニュースリリース)。

キーワード:

関連記事

  • ヌヴォトン、来年3月から1.7W紫色半導体レーザーの量産開始 業界最高クラスの出力を実現

    ヌヴォトン テクノロジーは、波長402nm帯で業界最高クラスの光出力を実現した「小型・高出力1.7W 紫色(402nm)半導体レーザー」の量産を開始すると発表した(ニュースリリース)。 業界標準のTO-56 CANパッケ…

    2025.12.01
  • 【interOpto2025】QDレーザ、レーザー網膜投影技術を展示

    interOpto / 光とレーザーの科学技術フェアで、QDレーザ【ビジョンテクノロジーゾーン No. C-38】は、レーザー網膜投影技術を展示している。 この技術は、レーザー光を用いて目の網膜に直接映像を投影するもの。…

    2025.11.13
  • 横国大とKEK,量子科学に関する研究を推進するための連携協定を締結

    横浜国立大学と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は,2025年10月17日に量子科学に関する研究を推進するための連携協定を締結した(ニュースリリース)。 世界的に注目されている量子技術は,未来社会に向けて革新的なイノベ…

    2025.11.10
  • 丸文,レーザーワイヤレス給電システム評価キットの提供開始

    丸文は,Wi-Charge Ltd(Wi-Charge)の赤外線レーザーワイヤレス給電システム「AirCord(エアコード)」の事前検証を目的とした,評価キットの提供を開始した(ニュースリリース)。 倉庫や店舗におけるデ…

    2025.10.31
  • 量子研究の卓越を称えて――TOPTICA,BEC 2025で画期的成果を表彰

    光学技術メーカーのTOPTICA Photonics SEは,スペインで開催された国際会議「Bose-Einstein Condensation 2025(BEC 2025)」において,超低温量子ガス分野で顕著な業績を挙…

    2025.10.27
  • 科学大,進化した量子誤り訂正法を考案

    東京科学大学の研究グループは,大規模量子計算の実現に不可欠な「量子誤り訂正技術」において,理論上の性能限界に極めて近い効果を持ちながら,高速に訂正する手法を発見した(ニュースリリース)。 実用的な量子アプリケーションの多…

    2025.10.22
  • 古河電工,光出力2kWのインフラ構造向けレーザーを開発

    古河電気工業は,鉄道車両や橋梁,船舶などのインフラ構造物向けに,光出力2kWの「インフラレーザ」定置システムを製品化したと発表した。これは,2023年に発売した700W定置システム,2025年5月に発表した1kW可搬型シ…

    2025.10.09
  • NTTイードローン,レーザー照射ドローンで害獣対策

    NTT e-Drone Technologyは(NTTイードローン),全国的に深刻化する鳥獣害問題に対応するため開発・製造した,鳥獣害対策専用ドローン「BB102」の提供開始した(ニュースリリース)。2025年10月1日…

    2025.10.03

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア