東北大ら,Ge半導体に適した電極を発見し接合に成功

東北大学と産業技術総合研究所は,層状物質であるテルル化ビスマス(Bi2Te3)薄膜とn型Geを反応させることで,非常に電気が流れやすい界面の形成に成功した(ニュースリリース)。

現在のスマートフォンやパソコンの性能を支えているのは,シリコン(Si)を使った半導体デバイス。しかし,その性能をこれ以上高めることが難しくなってきている。

そこで,次の主役として期待されているのが元素周期表でSiと同じ14族のゲルマニウム(Ge)。ただし,Geを用いた半導体では,金属電極とn型Geとの界面に生じる高い接触抵抗が性能向上の妨げとなっており,実用化の大きな課題だった。

研究グループは,Bi2Te3という材料をGeの上に薄く成膜し,400℃で加熱することで,両者の界面にファンデルワールス力に基づく非常にきれいで滑らかな界面を作ることに成功した。さらに,この過程でBi2Te3とGeが反応し,Geの最表面にテルル(Te)の一原子層が並ぶ構造が現れ,異なる物質同士を結びつける疑似ファンデルワールス結合が形成され,原子レベルで高品質な界面が実現された。

この界面では,Geの最表面に1層のTe原子が並び,Geとビスマス(Bi),Teが順に重なるような構造が形成された。このような構造では,界面部分に欠陥やダメージがほとんどなく,電気がスムーズに流れることが期待された。

実際に電気的特性を測定したところ,金属/半導体界面に存在する電子が通過するために必要なエネルギー(エネルギー障壁)が,これまでで最も小さかった0.51eVの約半分に当たる0.26eVにまで低減し,Bi2Te3とn型Geの接続が理想的なオーミックコンタクトを示すことが明らかになった。

これまでの技術では,電気の流れをよくするために極薄絶縁膜を接続部に挿入するなどの工夫が必要だったが,今回の方法ではそのような追加構造を用いずに,接触抵抗を大幅に低減できた点が大きな成果となっている。

また,n-Geとの接合の研究の多くはGe表面の結晶方位が(111)面の基板を用いたものだったが,この研究は(100)基板において良好な電気特性を実現できた。

研究グループは,この研究は,次世代の高性能半導体デバイスの実現を加速させる成果として期待されるとしている。

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