矢野経済研究所は,宇宙関連機器世界市場を調査し,機器別や参入企業各社の動向,将来展望などを明らかにした(ニュースリリース)。
それによると,本格的な宇宙へ向けた研究開発は1950年代から始まったとされているが,近年では世界中で宇宙に向けた開発が行なわれている。火薬を用いた機器や空を飛ぶ兵器,空を飛行するジェット機を経て,現在ではロケットが生み出されている。
以前は米国や欧州,ロシア,日本などが主となり宇宙開発が進められていたが,近年では中国やインドといったアジア諸国での研究開発が追随する状況となっている。この調査では,世界の各地域にて開発されているロケットや人工衛星,それらに搭載される関連機器を対象とした,2024年の宇宙関連機器世界市場(事業者売上高ベース)を17兆4,861億7,100万円と推計した。
日本では,1950年代から宇宙に向けた研究開発が進められており,その歴史は長い。一方,軍事利用を目的として開発をスタートした米国では,日本や他国と比べ物にならないレベルで宇宙開発を優先させ,その後科学研究や国際協力など平和利用に転換したものの,潤沢な資金を保有していることからロケットの打ち上げが失敗となっても,とにかく大量生産・製造とチャレンジを重ね,その過程で解決や改善を行なってきた。
日本は資金が限られているためにロケット打ち上げ機会が少なく,数を重ねての実証実験を行なうことが難しい。一見すると非常に不利な立場に見えるかもしれないが,少ない機会だが高い能力を持つ打ち上げ技術や世界で初めて惑星のサンプルを地球に持ち帰った小惑星探査機「はやぶさ」を生み出す技術力などを追求し,世界に誇る唯一無二の技術を展開している。日本では,自国の環境下を確実に把握し他国にはない技術で宇宙産業を開拓していくことが求められている。
将来展望については,2050年の宇宙関連機器世界市場は,78兆円規模に成長すると予測した。宇宙開発は科学技術の進歩にとどまらず,経済や社会,軍事的にも影響が大きいことから今後も世界全体で研究開発が行なわれ,市場も成長,拡大が期待できるという。
日本においても予算の拡大や民間企業の参入,研究開発を支援する動きなどが活発化している。米国では民間企業の宇宙ビジネス創出などで圧倒的であるが,他国でも大きなミッションを予定しており,これからの開発支援,宇宙関連機器市場の更なる成長が期待されるとしている。
