光技術が未来を支える 大阪・関西万博がついに開幕

万博キャラクター「ミャクミャク」

NTT IOWN 3D映像ショー

ウェアラブルペロブスカイト太陽電池

パナソニック「バイオライト」

大阪大学「光る植物」

韓国パビリオン 超大型LEDディスプレー

大阪ヘルスケアパビリオン

ドローンショーのイメージ(出典:万博ドローンショー請負企業 レッドクリフPRページ)

4月13日(日)より,大阪・関西万博がはじまる。大阪での万博開催は1970年に開催された「日本万国博覧会」以来55年ぶり。前回の万国のテーマは「人類の進歩と調和」で,海外からも76カ国が参加,6400万人以上の来場者を集めるという,日本の高度成長を象徴する記録的なイベントとなった。

一方,今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。我々は人類が生態系全体の一部であることを真摯に受けとめるとともに,自らが生み出した科学技術を用いて未来を切り開く責務があることを自覚し,多様な文化や考えを尊重しあうことによって,持続可能な未来を構築しようというもの。

155haという広大な会場には,海外からも158の国・地域が参加し,多彩な展示が期待される。世界の先端を走る科学技術も多数展示・デモが行なわれるが,ここでは編集部がおススメする光技術を用いた展示・デモを行なうパビリオンや注目の展示を紹介する。

IOWN APN体験
NTT パビリオンでは,IOWN APNを用いたデモなどを3つのエリアで体験できる。3D映像による女性グループ Perfumeのステージは,実際にAPNを用いて収録したライブを再現。音に合わせて振動も伝え臨場感を演出する。また自分の2D写真から3Dアバターを作成するデモは,実際にその場で撮影した写真データをAPNで処理装置に転送し,3Dアバターとしてフィードバック。自分の写真が立体画像となり踊りだすデモを見られる。

ペロブスカイト太陽電池
積水化学工業は,開発中のペロブスカイト太陽電池を,バスシェルターの屋根に設置する。ここで発電した電気は,夜間照明用電力としてその場に設置されたLED照明に供給する。また,豊田合成は,エネコートテクノロジーズのペロブスカイト太陽電池を使ったウェアラブルウェアを作製。ヘルスモニタリング用各種センサとともに電源として登載し,民間パビリオンのスタッフが着用する。またパナソニックもガラス基板を用いた建材一体型のペロブスカイト太陽電池を設置する。

バイオライト
パナソニックのパビリオン「ノモの国」では,魚介類の表面に住んでいる発光微生物を用いた照明「バイオライト」を展示する。空気と反応して発光する特殊なバクテリアを用いたもので,餌となる酸素や栄養を与え適切な環境下で培養することで発光するようになる。今回,パビリオンでは発光微生物を培養している展示水槽に酸素を送り込むことで,微生物が発光する様子を観察できるハンズオン型展示を行なう。

光る植物
大阪ヘルスケアパビリオンでは,大阪大学 産業科学研究所 永井健治教授が開発した「光る植物」を展示する。研究室では,オワンクラゲなど発光生物のメカニズムの研究から高光度発光タンパク質「ナノランタン」を開発し,発光キノコや発光バクテリアが有する発光システムを改変して導入することで自発光植物の作製に成功。以降,屋内外照明としての実用化に向けた研究に日々取り組んでいる。今回,「未来の侘び寂び」をコンセプトに自発光植物で仄かに照らし出された和室空間を展示する(4月21日~28日の8日間限定)。

超大型LEDディスプレー
韓国は,海外出展者で最大級の約3500m2となるパビリオンを建設。自然と伝統,デジタル技術が融合された建物で,正面の壁一面には超大型LEDディスプレー「メディアファサード」(縦約10m,横約27m)を設置。自然と人,技術が共存する未来の方向性を示す展示を行なうほか,K‐POPアーティストの映像を流すなど,韓国の先端技術や文化,未来社会に向けたSDGsの取り組みなどを紹介する。

大阪発光のスタートアップ
オール大阪の知恵とアイデアを結集させ,大阪という都市の活力・魅力を世界のより多くの人々に伝えることをコンセプトとした大阪ヘルスケアパビリオンには,大阪の中小企業やスタートアップが展示を行なう。ここには光関連企業も多数出展しており,レーザー核融合のEX-Fusion,光触媒のオプティマス,防護メガネの山本光学,ペロブスカイト太陽電池のエネコートテクノロジーズなどが参加する。さらに,参加型プログラムで構成されるTEAM EXPOパビリオンでは,大阪大学レーザー科学研究所がドローンとレーザー投影を用いた空中表示について展示を行なう。いずれも展示の日時や期間が決まっているので,詳細はHPで調べていただきたい。

夜を彩る光のショー
詳細は割愛するが,会場ではプロジェクションマッピングやレーザーを用いた光のショーが日没に毎日開催される。LEDを登載したドローンショーも企画されているので,夜風を感じながら広大な万博会場を散策した疲れを癒すのにも適しているのではないだろうか。

会場には光技術のみならず,今後の世界を持続可能にしていく様々な科学技術が集まる。子供たちを連れ,未来の世界とそれを支える科学技術を知る機会としてまたとない機会だ。これがきっかけとなり,未来の技術が花開く種となることを期待したい。

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