日立ハイテクら,高分解能Laser-PEEMを半導体応用

日立ハイテクと東京大学は,開発した高分解能Laser-PEEM(レーザー励起光電子顕微鏡)の半導体製造プロセスへの実用化に向け,研究内容を2024年11月12日(火)~15日(金)に京都府で開催されるMNC2024において共同発表する(ニュースリリース)。

半導体デバイスの性能向上とともに微細化・高集積化が進み,現在では極端紫外線(EUV)リソグラフィーを用いてナノレベルの回路パターンが形成されている。デバイスの微細化・高集積化に伴い,製造プロセスでは回路パターンの3次元的な加工精度および局所的な材料特性の変化が,これまで以上にデバイス性能に大きな影響を与えるようになっている。

Laser-PEEMは,電子線ではなくレーザーを観察対象全体に照射し,観察対象から放出される電子をカメラで取得することで観察画像を取得する。これにより,より広範囲かつ高解像なデータを一括で取得することができ,電子線を走査させるSEMと比較して大幅に検査プロセスの短縮化に貢献できることを検証した。

半導体製造プロセスにおいて,主にレジスト塗布→露光→現像の3つのプロセスがある。回路パターンの形状を検査するには,現状,現像を経てウエハー面上に形成される凹凸パターンを検査している。潜像パターンと呼ばれる,露光直後に形成され,実際の表面上には凹凸がないものの化学的に刻まれたパターンでの検査が可能になれば,歩留まりの向上に貢献できるとされている。

研究では,高分解能Laser-PEEMを潜像パターン観察に適用し,高解像度かつ高スループットで観察可能なことを実証した。この機能はSEMでは不可能だった技術であり,今後新しい検査市場の創出も期待できるものだとする。

高分解能Laser-PEEMは,約10~100nmの深さを検出可能なことから,ウエハー内の欠陥の有無やその原因を,非破壊のまま「透かして」観察できることを実証した。これまで不良の原因解析のためにウエハーを加工して実施していた作業を非破壊で実施でき,今後さらに三次元化が進むとされる中,加工にかかる作業工数の削減と,より高精度な解析に貢献するという。

研究グループは今後,高分解能なLaser-PEEMを最先端の半導体製造プロセスの検査・計測に適用する可能性を切り拓いていく。さらに,観察対象に関する情報をより多く取得できるLaser-PEEMは,半導体分野だけでなく,幅広い分野の産業や基礎科学の研究への貢献も期待できることから,幅広い社会課題の解決に向けた技術の応用においても研究を進めていくとしている。

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