【GW読書におすすめ】身近な光技術を感じる書籍「ひも解くひかり 身近なひかり」

連休中、少しゆっくりとした時間を過ごしてみてはいかがだろうか。青い空、鏡に映る自分、写真、通信、生命の営み――私たちの身の回りには、あらゆるところに光がある。日常では当たり前に受け止めている現象も、その背後には反射、屈折、干渉、回折といった光学の基本原理が働いている。

そんな「身近な光」をあらためて見つめ直す時間に、光学の本を一冊手に取ってみたい。ページをめくるうちに、普段見ている景色や技術の見え方が少し変わるはずである。連休の読書に、そしてこれからの学びや研究開発の一冊に、ぜひすすめたい書籍がある。

谷田貝豊彦氏による光学入門書「ひも解くひかり 身近なひかり」だ。本書は、身近な光の現象を入口に、光の本質と歴史、そして現代技術とのつながりを、数式をできるだけ使わずに解説する一冊である。

内容は、古代から現代に至る「光をめぐる探究」から始まる。人類は、なぜものが見えるのか、光はどのように伝わるのか、光は粒なのか波なのか、という問いに長く向き合ってきた。古代ギリシャの哲学者、ニュートン、ホイヘンス、アインシュタインらの歩みをたどることで、光学が単なる技術分野ではなく、自然を理解するための大きな知の流れの中にあることが見えてくる。

また本書では、波としての光、鏡やレンズによる像の形成、望遠鏡、顕微鏡、干渉と回折、ホログラムなども扱う。空が青く見える理由、夕日が赤く見える理由、虹やハロー、構造色、偏光など、日常の中で出会う光の現象も取り上げられており、読者は身近な体験から光学の世界へ入っていくことができる。

今日の光技術は、通信、計測、医療、天文学、半導体、ディスプレー、エネルギーなど、社会の多くの場面を支えている。しかし、その基礎にあるのは、光がどのように進み、曲がり、重なり、広がり、像を結ぶのかという基本的な理解である。『ひも解くひかり 身近なひかり』は、そうした光学の土台を、専門家だけでなく、中高生から大人までが読み進められる形で示している。

連休は、普段のニュースや業務から少し離れ、身近な自然現象や技術の成り立ちに目を向けるよい機会である。スマートフォンのカメラ、インターネット通信、眼鏡、顕微鏡、天体観測、医療機器など、私たちの生活を支える多くの技術は、光の理解なしには成り立たない。

5月16日は「光の国際デー」でもある。連休中の読書として、身近な光の不思議をひも解きながら、現代の光技術へと視野を広げる一冊を手に取ってみてはいかがだろうか。紹介した書籍は、Amazonで購入可能。

商品情報

『ひも解くひかり 身近なひかり』
谷田貝豊彦 著
A5判,約170頁
オプトロニクス社
2025年10月27日刊行
価格:3,080円(税込)

光のオンライン書店で販売中。

キーワード:

関連記事

  • 防衛装備庁、令和7年度終了評価を公表 光・量子・先端材料で注目研究者並ぶ

    防衛装備庁は2026年4月、安全保障技術研究推進制度(いわゆる防衛省ファンディング)における令和7年度の終了評価結果を公表した(関連HPはこちら)。 今回の評価では、令和6年度までに終了した19件の研究課題が対象となり、…

    2026.04.16
  • 東大、光の干渉による新しい光情報処理手法を提案

    東京大学の研究グループは、量子光学を利用して、2人の利用者が限られた資源を取り合う状況で、互いに相談しなくても衝突を避けられる新しい手法を提案した(ニュースリリース)。さらに、この手法が有効に働くことを数値シミュレーショ…

    2026.04.03
  • 東大など、エゾハリイカが体表面に偏光模様を生み出し求愛していることを解明

    東京大学、東京理科大学、青森県営浅虫水族館は、コウイカの一種エゾハリイカの雄が、表皮の特殊な細胞で反射させた光を透明な筋肉に透過させることで派手な偏光模様を生み出し、雌に求愛していることを明らかにした(ニュースリリース)…

    2026.02.04
  • IPGフォトニクス社など9社が2026 SPIE Prism Awardsを受賞

    国際光学・フォトニクス学会(SPIE)は、米国サンフランシスコで開催中の SPIE Photonics West 2026 にて、最新の光学・フォトニクス製品・技術を対象とした国際賞「SPIE Prism Awards …

    2026.01.23

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア