「量子技術による新産業創出協議会」が設立

著者: sugi

「量子技術による新産業創出協議会」設立発起人会は9月1日,設立会員24社による総会の承認を得て「量子技術による新産業創出協議会(Quantum STrategic industry Alliance for Revolution:Q-STAR)」を正式に設立したことを発表した(ニュースリリース)。

Q-STARは,我が国が「量子技術イノベーション立国」を目指す中,グローバルでリーダーシップを発揮し,新時代における科学技術の発展に資する活動を推進することで,その実現に貢献するとともに,日本の産業の振興と国際競争力の強化を図ることを目的として設立された。

Q-STARは,幅広い産業から設立趣旨や取り組みに賛同頂ける会員を募り,産学官で連携して量子技術に関わる基本原理,基本法則を改めて整理し,その応用可能性,必要となる産業構造,制度・ルールについての調査・提言等,新技術の応用と関連技術基盤の確立に向けた取り組みを推進する。また,国内外の量子関連の団体との連携を積極的に推進し,グローバルで通用する基盤の構築を目指すとしている。その概要は以下の通り。

運営委員会(五十音)
東芝:代表執行役社長CEO 綱川智(委員長)
トヨタ自動車:代表取締役会長 内山田竹志
日本電気:取締役会長 遠藤信博(副委員長)
日本電信電話:取締役会長 篠原弘道(副委員長)
日立製作所 取締役代表執行役 執行役会長兼CEO 東原敏昭(副委員長)
富士通 代表取締役社長CEO兼CDXO 時田隆仁(副委員長)
三菱ケミカル 代表取締役社長 和賀昌之(副委員長)

設立会員:24社(五十音順)
伊藤忠テクノソリューションズ,SBSホールディングス,キヤノン,JSR,住友商事,SOMPOホールディングス,第一生命保険,大日本印刷,大和証券グループ本社,長大,東京海上ホールディングス,東芝,凸版印刷,トヨタ自動車,日本電気,日本電信電話,日立製作所,富士通,みずほフィナンシャルグループ,三井住友海上火災保険,三井住友フィナンシャルグループ,三井物産,三菱ケミカル,三菱電機

主な活動内容:
①量子技術の動向に関する調査・研究
量子技術の全般の動向の調査、産業界トップ層の間で情報共有
②量子技術の産業活用に関する調査・研究・提案
複数分野についての応用可能性を調査・研究
③量子関連技術に関する調査・検討
量子技術に必要となる材料、デバイス等についての調査・検討、情報共有
④量子関連人材に関する調査・企画・提案
量子技術に関連する人材の育成に関する調査・企画・提案、意見交換
⑤制度・ルールについての調査・検討
量子技術の実装に際し必要となる知財・標準化、倫理、トラスト等の調査・検討
⑥国内外の量子関連団体等との連携
本協議会の各種事業推進に必要となる国内外の量子関連団体との連携
⑦その他
普及広報、政策提言など

部会:
情報通信技術(量子コンピューティング,量子暗号通信等),関連基盤技術(材料,デバイス等),重要応用領域(量子マテリアル,量子生命・医薬,量子バイオ,量子センサ,量子AI等),人材,制度・ルール等に関しての検討課題の洗い出しを行ない,必要に応じて部会を設置する。

・量子波動・量子確率論応用部会
量子振幅推定や最適化を用いた新しい産業の創出を検討する。これらの技術と親和性の高い金融業界をはじめ,様々な業界の柱となる産業や複数業界に跨る産業の創出を目指す。
・量子重ね合わせ応用部会
量子コンピュータの最大の特徴である量子重ね合わせの応用により創出されるシステムやサービス,ビジネスと,それによる既存産業や業界構造の変化を広い視野で検討する。ユーザとベンダが協力して新たな社会像を描くことで,業界の次の柱になるような新産業や,複数業界に跨った新産業の創出を目指す。
・最適化・組合せ問題に関する部会
量子現象に着想を得た新コンピューティング技術(イジングマシン)を用いて,膨大な組合せの中から最適解を瞬時に算出し,リアルタイム予測,効率化,最適化などの問題を解くことで,産業分野の様々な課題解決を目指す。
・量子暗号・量子通信部会
現在既に利用可能な技術である「量子暗号通信」のビジネス応用を検討し,理論的な安全性が保障された通信が切り拓く未来創出を目指す。

キーワード:

関連記事

  • 横国大とKEK,量子科学に関する研究を推進するための連携協定を締結

    横浜国立大学と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は,2025年10月17日に量子科学に関する研究を推進するための連携協定を締結した(ニュースリリース)。 世界的に注目されている量子技術は,未来社会に向けて革新的なイノベ…

    2025.11.10
  • フォトニクスのアカデミー賞、SPIEプリズムアワード2026の最終候補者が決定

    国際光学・フォトニクス学会(SPIE)は,2026年Prism Awards(プリズムアワード)の最終候補製品を発表した。 Prism Awardsは「フォトニクスのアカデミー賞」とも称される国際的な表彰制度であり,光学…

    2025.11.07
  • 量子研究の卓越を称えて――TOPTICA,BEC 2025で画期的成果を表彰

    光学技術メーカーのTOPTICA Photonics SEは,スペインで開催された国際会議「Bose-Einstein Condensation 2025(BEC 2025)」において,超低温量子ガス分野で顕著な業績を挙…

    2025.10.27
  • 科学大,進化した量子誤り訂正法を考案

    東京科学大学の研究グループは,大規模量子計算の実現に不可欠な「量子誤り訂正技術」において,理論上の性能限界に極めて近い効果を持ちながら,高速に訂正する手法を発見した(ニュースリリース)。 実用的な量子アプリケーションの多…

    2025.10.22
  • 富士通と産総研,量子技術における連携協定を締結

    富士通と産業技術総合研究所 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)は,量子技術における国際的な産業競争力の強化に関する連携協定を,2025年9月26日に締結した(ニュースリリース)。 この協…

    2025.09.29
  • 産総研ら,量子コンピューター参入促進へ報告書公開

    産業技術総合研究所(産総研),理化学研究所,日本電気,富士通は,大規模量子コンピューターシステムに向けた俯瞰図・ロードマップの策定の第一報として,超伝導方式のサプライチェーンに関わる技術報告書を公開した(ニュースリリース…

    2025.09.25
  • 東大ら,量子コンピューターのノイズを効率よく除去

    東京大学とマサチューセッツ工科大学は,有用な量子コンピューターの実現に欠かせない魔法状態のノイズを効率よく取り除く新しい方法を開発した。(ニュースリリース)。 従来のコンピューターは0と1のどちらかを表すビットを単位とし…

    2025.09.19
  • 京大ら,多数の光子のもつれの一括測定に成功

    京都大学と広島大学は,多数の光子からなるW状態と呼ばれる量子もつれ状態を,一括で一度に識別する,もつれ測定の方法を新たに開発,さらにその実証実験に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。 電子や光子などの個々の量子状態…

    2025.09.19

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア